【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
1- 20
6:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:07:15.80 ID:3zYuh2uB0

 私立ダイアナ学園女子中等部。

 長い伝統と格式を持つ中学校らしいが、ゆうきにはいまいちピンとこない。せいぜいが自分の通っている中学校は少し古い、といった程度の認識だ。

 まばらに自分と同じ制服を身につけた少女たちが目につくようになると、住宅街の向こうに校舎が見えてくる。友達は古くさいと言うが、ゆうきはオシャレな感じがして気に入っている。なんでも、英国の著名な建築家が設計したのだそうな。

「ゆうきぃー!」

 背後からの慌ただしい足音がふたつ。振り返る前に、両肩をパシパシと叩かれる。

「おっはよー、ゆうき」

「おはよう」

「もうっ、両側から挨拶しないでよ。どっちを向いて返せばいいの?」

 怒るポーズだけしてみせて、けれどすぐに顔がほころんでしまう。

「おはよ、ユキナ、有紗(ありさ)」

 当たり前だ。春休み中に何回かは会ったが、それでも登校途中で会うのは昨年度の三学期ぶりなのだから。

「ふふー、ゆうきは相変わらずかわゆいのうかわゆいのう」

 ゆうきにぐりぐりと顔を押しつける小柄な方が更科(さらしな)ユキナ。ハムスターのような少女で、栗色のボブカットがかわいい同級生。

「おっさんくさいぞ、ユキナ」

 それに呆れながら返すのが、背が高い栗原(くりはら)有紗。長い髪をひとつにまとめた大人っぽい美人だが、さばさばした男らしい同級生だ。

「ふたりも相変わらずだねぇ……ちょっとユキナ、暑苦しいよ」

「えへへー、ごめんごめん」

「謝るくらいなら離れなさい」

「ぐへぇ」

 見かねた有紗が引きはがしてくれて、ようやくユキナから解放された。

「うぅ〜、今日から新しいクラスかぁ。ドキドキしちゃうよねっ」

「そうだね……今年も、ふたりと一緒だと嬉しいけど」

 ユキナの言葉にそう返すと、突然がばっと両側から抱きつかれた。

「おっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。このこのー」

「このこのー」

「ちょっと、歩けない! 歩けないから!」

 友達ふたりを半ば引っ張るようにして、ゆうきは校門まで行くハメになった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
647Res/1111.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice