【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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5:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:04:46.30 ID:3zYuh2uB0

☆          ★          ★


 結局、ともえはひかるが起こしにいくまでリビングに来ることはなかった。

「まったくもう。ともえ、もう小学6年生なんだから、自分で起きられるようにしなさい」

「はーい」

 まるっきりの生返事。反抗期というやつだろうか、最近この妹は自分の言うことをきかないことがままある。

「ちょっと、ともえっ」

「分かったってば。明日から気をつけるよ」

 少しつり上がったまなじりに、ぷるんと艶やかな唇、サラサラの亜麻色がかった髪、歯に衣着せぬ性格、何をとっても自分とは正反対の妹だ。

(それに比べてわたしは……)

 嫌になる。トロンと垂れたやる気のない目つき、リップをつけなければすぐ乾いてしまう薄い唇、しっかりリンスをしなければ翌日言うことを聞かない真っ黒の髪、天然と言われることが多いボケた性格。それが自分、王野ゆうきという姉だ。

「お姉ちゃん?」

 気づけばぼーっとしていたようだ。ひかるが自分の顔をのぞき込んでいる。その末弟もまた、ともえとは異質にせよよく整った美男子だ。

「あ……なんでもない。早く食べて学校行こ」

 少し気弱で優しい弟を心配させまいと、ゆうきは気丈に笑った。

 父は単身赴任中。母は看護師のお仕事の関係で夜と朝はいないことが多い。

(だから、わたしがしっかりお母さん代わりをやらなくちゃ)

 新しい1年の始まりの日。ゆうきは慌ただしく弟妹を見送って、自分も学校へと向かった。


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