【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2017/12/24(日) 10:08:18.81 ID:3zYuh2uB0
そこは、黒い場所だった。
光源はある。しかし暗い。一面が黒いからだ。
「……で、取り逃がした、と」
響く涼やかな声。しかしそれは清涼感というよりは、荒涼とした大地を思わせる冷たい声だった。
「それで、奴らは人間の世界、『ホーピッシュ』に行ったのだな? それぞれの “ロイヤルブレス” と “紋章” を持って」
「申し訳ありません、デザイア様」 声の主に会釈程度に頭を下げるのは、たくましい身体つきの男だった。「しかし問題はありません。奴らの位置は割れています」
「ほう?」
「我々がロイヤリティから奪ったエスカッシャン……これらが奴らの紋章と反応しあっています。これを頼りに捜索すれば、見つかるのも時間の問題でしょう」
「……なるほど」
涼やかな声は、男の言葉に納得したように。
「分かった。ならば任せよう。しかし事は急がねばならん。ロイヤリティにはとある伝説があるからな」
「伝説?」
「ああ。ロイヤリティから光が消えたとき、伝説の戦士が現れ、4人の王者を助けるだろう、と……」
声の言葉に、男は目を丸くしていた。
「……まさか、デザイア様ともあろうお方が、そんなおとぎ話を信じていらっしゃるのですか?」
「さあ、な」 男の馬鹿にしたような言葉にも、声は何の感情も見せない。「しかし、くれぐれも侮ることはないように」
「分かっております。同じ愚は犯しません」
「ああ。では行くのだ、ゴーダーツ。ロイヤリティの腑抜けきった王族どもから、紋章を奪い取れ」
声の言葉は決然と、男に申し渡した。
「それが我ら “アンリミテッド” の欲望だ。ゆめゆめ忘れるな、ゴーダーツ」
「はっ。我らアンリミテッドの欲望を満たす、ただそれだけのために」
そして、ゴーダーツと呼ばれた男は、闇に溶けるようにかき消えた。
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