【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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596:名無しNIPPER[saga]
2018/05/27(日) 10:10:52.76 ID:IIOvQ4Oi0

「……何やってるんですか?」

 ひかるのあきれ顔が回って歪む。目が回るような感覚に、額を押さえる。

「すまない。少しフラつくんだ」

「フラつく……?」

 ひかるが怪訝な顔をする。

「……少し休めば大丈夫だ。私の意地に付き合わせてすまなかった。親御さんや王野さんが心配するから、もう帰りなさい」

「あのねぇ……」

 はじめの言葉に、ひかるは嫌そうな顔を隠そうともせず、言った。

「昨日も似たようなことを言った気がしますけど、体調が悪そうな相手を放って帰れると思いますか?」

「心配してくれる必要はないよ。朝からフラつく感覚はあったんだ。それが今、少し強くなってるだけだから」

「それでなんで学校を休まないかなぁ……」

「わっ……」

 ひかるはためらう様子もなくはじめの額に手を伸ばした。ひかるの手が額に触れた瞬間、そのひんやりとした感触が心地よくて、恥ずかしい気持ちも忘れてしまう。

「……すごい熱。どうして学校を休まないんですか。それはいいとしても、どうしてわざわざぼくに会いに来たりしたんですか」

「少し体調が悪い程度で学校を休むわけにはいかない。私は生徒会長だから、生徒の規範にならないといけないからね。ちなみに君に会いに来たのは私の意地だ」

「呆れました。体調が悪いのに無理をして学校に行くことは、規範でも何でもないと思いますけどね」

「それだけではないよ。騎馬家の跡取りとして、熱程度で――」

「――もういいです。こっちまで熱が出そうだ」

 ひかるは大仰にため息をついた。

「立てますか? ……って、無理そうですね。さっきまでよく平気な顔をしてましたね」

 ひかるの大げさな言葉に、はじめは立ち上がろうとする。しかし、身体に力は入るが、その力があらぬ方向に働くような感覚だった。

「……びっくりするくらい、立ち上がれない」

「そうみたいですね。本当に驚いている顔に、こっちがびっくりですよ」

「いや、実は、物心ついてから熱を出したのは初めてなんだ。どうして急にこんなことになったのだろうか……」

「昨日ずぶ濡れになったまま雨宿りなんかしてたからでしょう」

「……ああ。なるほど」

 ひかるはまたため息をついて、はじめに手を伸ばした。

「お家の連絡先、教えてください」



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