【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
1- 20
588:名無しNIPPER[saga]
2018/05/27(日) 10:07:16.72 ID:IIOvQ4Oi0

…………………………

 サッカーは好きだ。野球のように、待っている時間が長くない。じっとしているのも嫌いではないけれど、どうせ身体を動かすのならずっと動かしていたい。

 王野ひかるという彼は、そんな風に考える。

「なぁ、王野」

 サッカーの合間の休憩中、同級生に声をかけられる。

「ん? なぁに?」

 決して作っているわけではない。

 ただ、自然とそうなってしまうだけ。

 誰かに話しかけられれば、柔和な笑みを浮かべて、同級生にやわらかく応じる。

「前にも聞いたけどさ、うちのチーム入らないか?」

「ああ……」

 活発な彼は、週末に活動するサッカーチームに入っている。そして、ひかるにもそのチームに入らないかと聞いているのだ。

「ごめん。悪いけど、うちのお手伝いとかがあるから」

「そうか……。王野くらいサッカーが上手いなら、即戦力なんだけどな……」

「はは、ありがとう」

 興味がない、わけではない。しかし、毎週末の活動となると、家族にも負担をかけることになる。王野家の場合、家族に負担をかけるということは、それ即ち長姉であるゆうきに負担をかけることに他ならない。進級し、ダイアナ学園で楽しそうに色々な活動に励んでいる姉を見ていて、それを邪魔したくないと考えるのは自然なことだとひかるは思う。

「ま、いいや。じゃあ、そろそろチーム替えしてもう一試合しようぜ」

「そうだね。……って、みんな?」

 活発な彼と、ひかるが立ち上がる。しかし、周囲の友達は皆、試合どころではないような様子だ。校門の方を見つめ、何事か話しているようだ。

「どうかしたの、みんな?」

「いや、あれ、誰かの知り合いか?」

「あれ?」

 同級生が指さす校門付近。学校の敷地の外から、こちらに手を振る人影がある。そのシルエットを見た瞬間、ひかるは頭をガツンと殴られたような衝撃を受けた。

「うそでしょ……」

 頭がクラクラする思いだが、あの姉と同じ制服を身につけるお姉さんを、そのまま放置するわけにもいかないだろう。あのバイタリティあふれていそうな物言いから鑑みるに、ヘタをしたら学校内に入ってきかねない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
647Res/1111.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice