【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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553:名無しNIPPER[saga]
2018/05/13(日) 21:55:25.90 ID:sptbJ6v70

…………………………

 翌日のことだ。

「レプ……」

 ゆうき、めぐみ、あきらが授業を受けている間、ラブリはひとりで学校の中を歩き回り、愛のプリキュアを探している。ゆうきたちに保護されてからずっと続けていることだが、活動範囲が学校内だけだから、そろそろ回る場所もなくなってきた。

「愛のプリキュアは、この学校にはいないレプ……」

 ラブリは昔から様々な文献や資料に目を通してきた。その中には、伝説の戦士に関わるものもたくさんあった。

「愛のプリキュアは、愛にあふれる人から生まれるレプ。でも、愛にあふれる人なんて見つからないレプ……」

 愛にあふれる人とは、一体どんな人なのだろうか。果たして、世界のどこを探したら愛にあふれる人が見つかるのだろうか。

 それとも、愛を知らない自分には、愛にあふれる人なんて、見つけることはできないということなのだろうか。

 本人たちには言えないが、このホーピッシュにやって来てから、ブレイは弱虫なりに勇気を持つようになったし、フレンは素直ではないが優しさを見せるようになった。そしてあの寡黙でオドオドしていたパーシーまでもが、その心に熱い情熱を宿し、それを口に出せるようになった。

「皆、王族らしくなってきているレプ……」

 ならば己は、愛を知らなければならないだろう。しかし、ラブリには愛が分からない。愛とは一体なんなのだろうか。

 と、人の話し声が聞こえた。ラブリは廊下の隅にこそっと隠れ、様子を伺う。前方から、ふたりの女子生徒が歩いてきた。

「鈴蘭、何度も言うけど、しっかり食べているのかい? 今日もまた顔色が悪いよ」

「うるさいわね。ちゃんと食べてるわよ」

「購買のひなぎくさんにも確認したぞ。トマトを食べないんだって?」

「はぁ!? なんで人の保護者に勝手にコンタクト取ってるわけ!?」

 騒がしくやってきたふたりは、ゆうきたちがよく会うふたりだ。片方は生徒会長の騎馬はじめ、もう片方ははじめの友達の後藤鈴蘭だ。

「……相変わらず、すごいレプ」

 そのふたりはきっと、ラブリと同じなのだろう。ふたりの心の中は、空っぽに近い。

 ふたりは、まるっきり愛を知らないのだ。

「でも……」

 ラブリの横を通り過ぎ、姦しく歩いて行くふたりの後ろ姿を見つめて、思う。

「少しずつ愛が芽生えているみたいレプ。その調子で、ふたりで仲良く愛を深めていけば、きっとその愛が周囲にも広がっていくレプ」

 あのふたりはきっと大丈夫だろう。



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