【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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551:名無しNIPPER[saga]
2018/05/13(日) 21:54:07.05 ID:sptbJ6v70

…………………………

「と、いうことがあって、それからずっと蘭童さんに詩の書き方を教わってるの。詩のレッスンっていうのかな」

「「詩のレッスン?」」

「そうだよ。蘭童さんに色々と教わっていたの」

 懇切丁寧に説明して、ふたりはようやく理解をしてくれた。けれど、納得はしていないようだった。めぐみが不思議そうに問う。

「あきら、詩を書くの?」

「う、うん……」

 あまり人に話したいと思うようなことではない。そんなことをやっていて、気取った中学生だと思われるのも嫌だし、痛々しいと思われるのも嫌なのだ。けれど、めぐみの反応はそんな程度ではなかった。

「あきらは感受性豊かで、色々な物事を多角的に見られるものね。うん。詩って、あきらにぴったりだと思うわ」

 ゆうきも言う。

「そういえば、あきらって昔からこまめに日記をつけてたもんね。文章を書くの好きだよね」

「……そうだね。日記で、その日あった楽しかったこと、嬉しかったこと、嫌なこと……そういう色々なことを考えて書いていたら、詩みたいになったの。それから、少しずつ日記とは別に詩を書くようになったんだ」

 ゆうきにも話したことがないことだ。ふたりは嘲るでも引くでもなく、真剣に聞いてくれた。

「でも、蘭童さんって作曲と作詞ができるのね。主事さんなのにすごいわ」

「あくまで趣味だって言ってたけどね」

 あきらははにかみながら。

「でも、わたしは蘭童さんの歌を聴いて、すごく心に響いたんだ。だから無理を承知で色々と教えてもらっているの」

 ふと、親友二人がわくわくするような目をしていることに気づく。

「……? どうしたの?」

「あきら、なんか、蘭童さんのこと話してるとき、目がキラキラしてるよね」

「そうね」

「……どういうこと?」

 ふたりは「またまたー」とあきらの肩を叩く。

「蘭童さんに詩を教えてもらっているうちに、」

「ときめいたり、してるんじゃないの?」

 ふたりの言わんとしていることがわかって、あきらはまたため息をつく。そういえば、出会い端にデートだなんだと言っていた。ふたりの女子中学生らしい姦しい勘ぐりに、あきらはそっと呟いた。

「ふたりともさ、なんかユキナに似てきたよね」

「……えっ? わ、私も……!?」

 その言葉に、めぐみが愕然としたことは、言うまでもない。



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