【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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545:名無しNIPPER[saga]
2018/05/13(日) 21:51:15.62 ID:sptbJ6v70

…………………………

 悪趣味だからやめなさい、とは言ったのだ。

「でも、あきらのことが心配だよ」

 しかしゆうきは頑としてそのめぐみの言葉を聞き入れなかった。だから、めぐみはゆうきとふたり、放課後にあきらの後をこっそりつけるようなことをしているのだ。

「……こんなことをしてしまっていることに自己嫌悪だわ」

「わかってるよ。わたしだってしたくてしてるわけじゃないもん」

 ゆうきがむくれ顔で言う。

「剣道場での戦いの後のあきらの顔を思い出すと、心配なんだもん」

「……まぁ、そうね」

 ゆうきも気持ちが分からないわけではない。あきらはゆうきとめぐみを自分の力で傷つけてしまったことに、本当にショックを受けていたのだ。それを考えると、やはり放課後、自分たちに内緒で何かをしていることは心配だ。あきらが何か思うところがなければ、自分たちに内緒にするようなことはしないだろう。まじめで責任感の強いあきらのことだ。思い詰めて、思いもよらないことをし始めるかもしれない。

「……とか言って、単純に男の子との逢瀬とかだったらどうするのよ」

「おうせ? おうせってなぁに?」

「……そうだったわね。あなたはゆうきだったわ」

 めぐみはため息をついた。

「つまり、男の子との放課後デート、とかだったらどうするの、って言ってるの」

 冗談のつもりだった。けれど、ゆうきの反応は苛烈だった。すわ前方を歩くあきらに気づかれるのではないかというくらいのオーバーリアクションを見せたのだ。

「……ありえる! ありえるよ! あきらめっちゃかわいいし!」

「あのねぇ、ダイアナ学園は女子校よ? そんなことあるわけないじゃない」

「高等部には男の先輩もいるよ。それに、もしかしたら先生とのデートとかだったら……」

 きゃー! と姦しい声を上げるゆうきに辟易としつつ、考える。ここ最近、ゆうきは初恋に目覚めてからというもの、色恋沙汰が大好物になったようだ。イケメンやアイドルの話題には相変わらずまったく関心を示さないというのに、友達同士のそういう話にはめっぽう弱くなっている。

「あなた、最近ユキナに似てきたわよ」

「えっ? ユキナだったらわーきゃー騒いで直接あきらに聞きに行くと思うよ?」

「……そうかもしれないわね」

 と、そんなことを話していると、あきらが昇降口で靴に履き替え、外に出た。

「あれ? 学校の外に行くのかな?」

「……いいえ。中庭のほうに向かうみたいよ」

「ん、そういえば、ユキナたちが昨日の朝あきらを見かけたのも中庭って言ってたっけ……」



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