【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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517:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:35:43.82 ID:7mW+iPec0

…………………………

 時は数日前に遡る。

 木工室で大量のウバイトールに囲まれ、なんとか打ち倒した後のこと。めぐみたちは目覚めたばかりでまだフラフラと足取りのおぼつかないあきらを家に送り、そのままあきらの部屋にお邪魔することになった。パーシーとラブリが、皆に話したいことがあると言ったからだ。

「……パーシーは、あきらに言っておかなければならないことがあったドラ」

 パーシーは辛そうな顔でそう言った。

「ごめんなさいドラ。あきらが倒れたのは、パーシーのせいドラ」

「パーシーのせいって、どういうこと……?」

 まだ本調子ではないあきらが横になったまま問う。あきらは大丈夫と言ったが、めぐみたちがベッドに寝かせたのだ。

「キュアドラゴの能力は強大ドラ。みんなもわかると思うドラ。“燃え上がる情熱の光”は、ウバイトールすら簡単に吹き飛ばすほどの威力を持っているドラ」

 めぐみはキュアドラゴの戦いを思い出す。真紅に燃え上がる炎のような光が、容易にウバイトールを吹き飛ばすその様を。

「けど、その力はあまりにも強大すぎるが故に、扱い方が難しいレプ」

 ラブリがパーシーの言葉を継ぐ。

「あまりにも強大すぎる力は、自然とセーブがかかるレプ。キュアドラゴの強大な力は本来、制限がかかり、その本当の力は簡単に解放されるものではないレプ。けど……」

「……あきらの心の情熱が強すぎたドラ。パーシーが、見誤っていたドラ。あきらの想いの強さが、キュアドラゴの力の限界を突破しているドラ」

「それは、話だけ聞くと、良いことのように思えるのだけど」

 めぐみが口を開く。

「だってそれは、あきらの想いの強さがキュアドラゴの力を強くしているということでしょう?」

「ドラ。でも、強大な力は、キュアドラゴ自身を傷つけてしまうドラ。情熱の炎が強大になればなるほど、その炎はキュアドラゴ自身を傷つけてしまうドラ。本来であれば悪辣なる者たちのみを燃やし尽くす炎が、清浄なる使い手を傷つけるようになってしまうドラ。その結果が、今のあきらの不調ドラ」

 パーシーは、いつの間にか目に涙を浮かべていた。

「あきら、ごめんなさいドラ。パーシーのせいで、あきらが傷ついているドラ。パーシーのことを守ってくれたあきらに、ひどいことをしてしまったドラ……」

「……いいよ、パーシー。言いたくなくて言わなかったわけじゃないでしょ? わたしは怒ってないよ」

 あきらが横になったまま、パーシーに手を伸ばす。パーシーを持ち上げ、胸に抱く。あきらがよしよしと撫でると、パーシーは安心したように頷いた。

「でも、どうしたらいいの? このままじゃあきらは、戦えば戦うだけ、自分自身も傷ついてしまうの?」

 ゆうきが心配そうに言う。

「そんなの、わたし嫌だよ……」

 めぐみだって嫌だ。あきらが傷つくとわかっていて、どうして一緒に戦うことが出来るだろうか。



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