【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
1- 20
508:名無しNIPPER[saga]
2018/04/22(日) 20:57:28.33 ID:TS+ShyS90

…………………………

 目覚めたのは、真っ白な場所だった。

「っ……? ここは……」

「……あっ、よかった。目が覚めたのか」

 彼女はどうやら、布団に寝かされていたようだった。傍らから覗き込むのは、一応友人ということになっている、騎馬はじめというお節介な人間だ。

 鼻をつく消毒液の香り。清潔感はあるが、ゴワゴワと事務的な感触がする布団。そして、天井から引かれた真っ白なカーテン。彼女には覚えがない場所だった。

「保健室だよ。君が木工室で倒れていたから連れてきたんだ」

「……? 倒れていた……?」

 記憶が曖昧になっている。木工室の前まで行ったことは覚えている。それ以降、自分が何をして、どうなったのかはよく覚えていない。

(何か、大事なことを忘れてしまったような気がする……? でも、思い出せる気がしない……)

 思い出せないものを無理に思い出そうとすると、頭が割れるように痛むことがある。彼女は記憶を掘り起こす努力を早々に放棄し、布団を出た。

「まだふらついているじゃないか。もう少し休んでいた方がいい」

 しかし、はじめがそれを制する。彼女はむかっときて、その優等生を睨み付けた。

「そんなのあたしの勝手でしょ」

「いや、それは君の勝手にさせるわけにはいかないよ」

 しかし、はじめはどかなかった。

「君がまたどこかで倒れてしまったら、君が一番損をする。だから、君を行かせられない」

「っ……」

 そのはじめの目には、たしかな意志が宿っていた。それをどかすのは骨だろう。彼女は不承不承、布団に戻った。

「もう少し落ち着くまで休みなさい。私が一緒にいてあげるから」

「……余計なお世話よ」

「そうかもね」

 はじめは笑うと、ベッドの脇の椅子に腰かけた。

「……どうしてあたしなんかに構うのよ」

 口をついて出たのは、以前と同じ質問だ。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
647Res/1111.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice