【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/04/22(日) 20:47:06.49 ID:TS+ShyS90
「うん、しっかりできているな。後藤は物作りが得意なんだな」
「ふふん、当然よ。昔から色々な習い事をしてきたもの。これくらい――」
鈴蘭の自慢げな声が止まった。
不思議に思い、手を止めて振り返る。鈴蘭が頭を押さえて、明らかに狼狽していた。
「あ、あたしの昔……? いや、あたしは……」
「……? 後藤? どうかしたか?」
松永先生が心配そうに声をかける。鈴蘭はハッとしたような顔をして、直後、表情が不機嫌なものになる。
「……なんでもないわ」
「そうか。体調が悪いとか、そういうことはないか?」
「なんでもないって言ってるでしょ」
鈴蘭は吐き捨てるように言った。
「……そうか。ならいい。ところで、この作品だが、もう一回ニスを塗り足して、もう一度磨いたらもっときれいになるんだが……」
「……それは、やらないといけないこと?」
「ん……そういうことではないな」
「なら、いいわ。完成したんだから、これでいいでしょ」
鈴蘭はそう言うと、てきぱきと片付けと掃除を終え、作品を提出用の棚に入れると、さっさと木工室を出て行った。
「んー……後藤が自分から片付けと掃除をするとは、よっぽど早く帰りたかったんだな」
松永先生が不思議そうに言う。
「それにしても、もったいないなぁ。これだけの作品を作れるなら、あと一歩がんばれば、もっとすごい作品になるのに」
それは、本当に残念がるような声だった。松永先生は鈴蘭が置いていった作品を見て、ボードに何かをかき込んでいく。作品の表面を撫でたり、底を見たり、内面を覗き込んだり、様々な角度から作品を見つめているようだった。
「あ、あの、先生」
「……ん、ああ、すまん、王野。いま行くよ」
「いや、聞きたいことがあるんじゃないんです。何をしてるのかな、って……」
「ああ」 松永先生は恥ずかしそうに。「生徒に見せるもんじゃなかったな。すまん。作品の評価をつけていたんだよ」
「あ、そっか。作品で成績を出すんですもんね」
「ん、まぁ、それもあるが、それ以上に、生徒へのフィードバックだな」
「フィードバック?」
ゆうきの頭に大きなはてなマークが生まれた。
「要は、お前たち生徒がやったことに対して、俺たち教員は何かを返さなくちゃいけないってことなんだ。テストの点数然り、日記へのコメント然り、提出された作品に対しての講評然り、な。評価ってのはカタチに表われる成績だけじゃない。俺たち教員自身の授業への自己評価だったり、生徒自身の到達度の指標だったりするんだ――って、こんな話をしても仕方ないな」
「?」
「俺たち教員の仕事の話だよ。ヘンな話をして悪かったな。お前は気にしなくていい」
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