【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/04/22(日) 20:47:32.63 ID:TS+ShyS90
ゆうきの中ではてなマークが増えただけだった。話の内容は四分の一もわからなかったけれど、ただひとつ、ゆうきには確かに分かることがあった。
「あの」
「うん?」
「松永先生は、本当に技術の授業が好きなんですね。あと、わたしたち生徒のことも」
「ん……」
松永先生は狐につままれたような顔をする。かと思えば相好を崩し、愉快そうに笑った。ゆうきの近くに戻ってきて、隣の椅子に腰かけた。
「俺が技術が好きで、お前たちのことが好き、か。ま、間違いではないな」
松永先生はニヤッと笑う。先生のそんな顔を見たことがなくて、ゆうきは少し、ドキリとした。
「じゃあ、俺もお前に、技術を好きになってもらって、俺自身を好きになってもらわないとな」
「へっ……?」
「後半は冗談だ。さ、続きをやるぞ」
「……はい!」
ゆうきはえんぴつとスコヤを持ち、再び、ゆっくりと線を引き始めた。
ふと、真剣な顔で自分の作業を見つめてくれる、松永先生の横顔を盗み見た。こんな真剣な顔も、あまり見たことがない。さっきのような、無邪気な笑い声も聞いたことがない。普段の松永先生といえば、自他共に認める冴えない先生で、ふにゃふにゃとした顔しかしないのに。
真剣な顔をするとこんなにもキリッとするなんて、ずるい。
「……? 俺の顔に何かついてるか?」
「へっ? あ、いや、何も……」
目と目が合う。ゆうきは慌てて目を逸らし、作業に集中することにした。
(ど、どうしてだろう……)
ドクドクと流れる血液の音を感じながら、ゆうきは自分の頬が熱くなるのを感じた。
(わたし、なんでこんなにドキドキしてるの……?)
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