【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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488:名無しNIPPER[saga]
2018/04/22(日) 20:47:32.63 ID:TS+ShyS90

 ゆうきの中ではてなマークが増えただけだった。話の内容は四分の一もわからなかったけれど、ただひとつ、ゆうきには確かに分かることがあった。

「あの」

「うん?」

「松永先生は、本当に技術の授業が好きなんですね。あと、わたしたち生徒のことも」

「ん……」

 松永先生は狐につままれたような顔をする。かと思えば相好を崩し、愉快そうに笑った。ゆうきの近くに戻ってきて、隣の椅子に腰かけた。

「俺が技術が好きで、お前たちのことが好き、か。ま、間違いではないな」

 松永先生はニヤッと笑う。先生のそんな顔を見たことがなくて、ゆうきは少し、ドキリとした。

「じゃあ、俺もお前に、技術を好きになってもらって、俺自身を好きになってもらわないとな」

「へっ……?」

「後半は冗談だ。さ、続きをやるぞ」

「……はい!」

 ゆうきはえんぴつとスコヤを持ち、再び、ゆっくりと線を引き始めた。

 ふと、真剣な顔で自分の作業を見つめてくれる、松永先生の横顔を盗み見た。こんな真剣な顔も、あまり見たことがない。さっきのような、無邪気な笑い声も聞いたことがない。普段の松永先生といえば、自他共に認める冴えない先生で、ふにゃふにゃとした顔しかしないのに。

 真剣な顔をするとこんなにもキリッとするなんて、ずるい。

「……? 俺の顔に何かついてるか?」

「へっ? あ、いや、何も……」

 目と目が合う。ゆうきは慌てて目を逸らし、作業に集中することにした。

(ど、どうしてだろう……)

 ドクドクと流れる血液の音を感じながら、ゆうきは自分の頬が熱くなるのを感じた。

(わたし、なんでこんなにドキドキしてるの……?)



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