【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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423:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 10:12:13.47 ID:TVNRAefO0

 あきらは想いを伝えた。その想いを、パーシーがどう受け取ったかなんて、あきらにはわからない。

「パーシー、は……」

 パーシーが口を開く。

「……王女様」

 想いを伝えることなど意味がないと言いきったダッシューが、何かに怯えるように口を開く。

「あなたがどういうことを言うべきか、あなたはしっかり分かっているはずだ」

「パーシー」

 あきらは、優しく口を開く。

「パーシーがどうしたいか、教えて。お願い」

「パーシーは……」

 パーシーが涙を拭う。あきらに抱きしめられたまま、それでもあきらを真っ直ぐに見上げ、言った。

「パーシーは、情熱のプリキュアを生み出し、世界を救いたいドラ。ロイヤリティを取り戻したいドラ。パーシーはきっと、迷惑ばっかりかけてしまうけど、それでも……」

 それは、パーシーの想いの発露に他ならなかった。



「……お願いドラ。パーシーを、助けてドラ!」



「ッ……」

 ダッシューが虚空からはさみを取り出し、あきらの喉元に突きつける。

「このはさみは、君の首程度なら簡単に切り飛ばせる。こんなスマートでない方法をとるとは思わなかったけど、君もこれで思い知っただろう。絶対的な力を前に、想いなんて伝えたところで、無力だ」

「…………」

 怖い。

 怖くて仕方がない。

 いまダッシューから示されているのは、明確な敵意、憎悪、そして、本気の殺意だ。ただの女子中学生のあきらに、それが怖くないはずがない。

「……ダッシューさん。あなたは、ひょっとして、あんまり悪い人じゃないのかな」

「ッ……!?」

 けれど、あきらは、その恐怖と同じくらい、言わなければならない気持ちがあった。

「どうしてわたしたちの話を聞いてくれたの? どうして、パーシーの言葉を誘導してまで、わたしを遠ざけようとしてくれたの?」

「何を……!」

 ダッシューが明確な動揺を見せた。ダッシューは空いた手であきらの肩を突き飛ばす。

「きゃっ……!」

 あきらは背中から倒れ込む。パーシーが手から離れ、コロコロと道に転がる。

「……ほら。ロイヤリティなんかを庇うから、そういう目に合うんだ」

 ダッシューは自分を落ち着かせるように言うと、パーシーを拾い上げた。

「さぁ、わがままはこれくらいに致しましょう、王女様。参りますよ」



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