【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/04/01(日) 10:11:41.08 ID:TVNRAefO0
ダッシューが焦れているのがわかった。余裕の笑みが歪み、彼の内なる凶暴さが姿を見せているようだった。
「ねえ、パーシー」
「ドラ……?」
あきらは胸に抱くパーシーを見下ろした。パーシーはその声を受けて、ビクビクと震えながら、それでもあきらを見上げてくれた。
「パーシー、いま、わたしが何を考えてるか、わかる?」
「ど、ドラ……。そんなの、わからないドラ……」
「そうだよね。そうなんだよ」
人の気持ちは、きっと少しだけわかる。けど、わかるのは少しだけだ。目を見るだけで、何から何までわかるようなことは、きっと、どんなに仲が良くても、ない。
だから人は、言葉をつむぎ、意志を伝えるのだ。
「人の気持ちを考えて、心を考えて、それで言葉を選ぶことは、大事だよ」
「ドラ……?」
「でも、それをやり過ぎて、人に気持ちを伝えることができなくなったら、逆にダメなんだよ」
自分は、ゆうきに一緒にいたいという気持ちを伝えただろうか。
自分は、ゆうきに寂しいという気持ちを伝えただろうか。
自分は、ゆうきとめぐみに、仲間に入れてほしいという気持ちを伝えただろうか。
「わたし、恥ずかしいや。勝手に嫉妬して、勝手に仲間はずれにされたような気持ちになって、勝手に、恨んで……」
あきらはだから、パーシーに言った。
「パーシー。わたし、あなたがどうしたいかは聞いてなかった気がするよ。あなたの使命、ロイヤリティのこと、アンリミテッドのこと、それは聞いたけど、あなたがどうしたいかは教えてもらってないよね」
「あきら……」
「……それを聞いて、どうするというんだい?」
ダッシューが両手を広げる。顔に張り付いていた薄ら寒い笑みは、すでになくなっていた。
「意志なんて伝えてどうなる。想いをくみ取ってどうなる。君には何の力もない。それで、一体どうなるんだ」
「パーシーが何をしたいのか、知りたい。それだけだよ。それがわからなかったら、わたしにはどうしようもないもの」
「そうか。では、情熱の国の王女様。あなたはこう言うべきだ。“わたしを置いて逃げて”とね」
「ドラ……」
「これ以上、その純粋なお嬢さんを我々の事情に巻き込む気ですか?」
「……ねぇ、パーシー」
あきらは、ダッシューの冷たい声を遮るように言った。
「わたしの気持ち、伝えるね。わたしは、パーシーを助けたいよ。パーシーの力になりたいよ。きっと、何の役にも立たないけど、それでも、パーシーのために、できることをしたいよ」
「ドラ……」
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