【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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408:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 10:03:13.03 ID:TVNRAefO0

…………………………

 時は戻って、生徒会選挙翌日のこと。

「新生徒会会長、騎馬はじめだ。学級は2年B組。趣味は各種お稽古事と勉強だ。これから一年間、どうかよろしく頼む」

「生徒会副会長の十条みこと。騎馬さんと同じく2年B組。美術部に入っています。趣味は絵を描くこと。将来の夢は画家。これからよろしくお願いします」

「同じく生徒会副会長を会長信任枠でやることになりました、2年A組の大埜めぐみです。趣味……は、えっと、特にないです。勉強も運動も好きです。よろしくお願いします」

 生徒会選挙明くる日の朝が、初の生徒会活動だった。とはいえ、各自が簡単な自己紹介をするだけの顔合わせのようなものだけだ。会長、副会長二人に続いて、書記一人、会計一人と自己紹介を進めていく。やがて、庶務のゆうきの番になった。

「は、ははは、はじめまして! 王野ゆうきです! えっと、趣味って言えるかわからないけど、家事全般大得意です! 炊事家事洗濯掃除何でもござれです! 特技は……えっと、えーっと……あっ! 三枚おろし! です! よろしくお願いします!」

 我ながらなんと情けない自己紹介だろうか。めぐみは頭を抱えているし、ゆうきのことを知っているはじめはからからと気持ちよく笑ってくれるが、もうひとりの副会長――ボブカットに猫を思わせるつり目が特徴的な、十条みことは目をぱちくりさせてゆうきを見ているし、書記、会計担当の一年生たちは一様にどう反応したものか考えあぐねているようだった。ゆうきは真っ赤になって、すごすごとめぐみの後に隠れた。

「庶務がもうひとり必要なんだ」

 自己紹介が済んだところで、一同にはじめはそう言った。

「生徒会は書類作成の仕事が多い。後世に残る大切な資料だ。それをすべて手書きで作るのだけど、書記ひとりだけじゃ大変なんだ。だから、字が上手な子が望ましいんだけど……」

 はじめは妙に様になる仕草で肩をすくめた。ゆうきははじめほど肩をすくめる動作が様になる同学年の女子に会ったことはない。

「あいにく、心当たりは皆部活で忙しい子ばかりでね。どうだろうか、大埜さんと王野さんの知り合いに、字が上手な子はいないだろうか」

「話は分かったけど、字が上手な子ねぇ……」

 めぐみが唸る。

「みんな、上手といえば上手だけど、女の子っぽい丸字が多いのよね」

「有紗は達筆だけど、演劇部で大忙しだしなぁ」

 ゆうきも考える。

「部活に入っていなくて、字が上手な子……。うーん」

 ふと、字が上手という言葉に引っかかる何かがあった。

「……あ」



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