【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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407:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 10:02:33.82 ID:TVNRAefO0

 ぬいぐるみといえばホラー作品ではよく使われる舞台装置だ。あきらは叫び声を上げそうになるのを必死でこらえ――

「――た、助けて、ドラ」

「きゃっ、きゃああああ!!」

 こらえきれずにたまらず叫んでしまう。致し方ないことだろう。だって、ぬいぐるみが喋るなんて、誰に想像できようものだろうか。

「ど、ドラ。びっくり、させないで、ほしい、ドラ」

「こっ、こっちの台詞だよ。いきなり喋らないでよ」

 よく見て見れば、可愛らしいぬいぐるみだ。ホラー小説に出てくるようなぬいぐるみではなく、どちらかといえばローファンタジーにでも出てきそうなぬいぐるみだ。あきらは幾分か落ち着いて、そのぬいぐるみに歩み寄った。

「あ、あなた、喋れるの?」

「? もちろん、ドラ」

 ふわふわの身体に、もこもこの翼。頭に生えているのはトサカだろうか。口元から見え隠れする牙……というにはあまりにも可愛らしい、八重歯。あきらを見つめる目はくりくりと、少し怯えるように潤んでいる。

「あなた、名前は?」

「ドラ? パーシー、ドラ」

「パーシー……。わたしはあきら。美旗あきらっていうの」

「あきら、ドラ……」

「…………」

 それが、お互い口数の少ないふたりの出会いだった。



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