【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
1- 20
406:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 10:02:01.98 ID:TVNRAefO0

ファーストプリキュア!
第十三話【燃える情熱! それは紅蓮のプリキュア、キュアドラゴ!】


 数週間前、ダイアナ学園、始業式の放課後のこと。

「はぁ……」

 あきらはあまり学校帰りに寄り道をするタイプの中学生ではない。しかしその日は、大好きな作家さんの新刊の発売日だ。本当なら幼なじみのゆうきと一緒に商店街を回って、一緒に本屋をめぐり、一緒にお茶でもして……なんて考えていたのだけれど、当のゆうきは学級委員に選ばれてしまい、放課後に早速仕事にかり出されてしまった。せっかく同じクラスになれたのに、と寂しい気持ちはあるが、仕方がないだろう。

 本を買って、商店街を後にする。自宅に歩を進めていると、ふと違和感が頭をよぎった。

「なんだろう。空が暗い……?」

 それはとても異様な光景だった。まるで、世界全体をモノクロに落としたようだった。極限までコントラストを落としたかのような世界は、人気をまるで感じない。まるで、ゴーストタウンにあきらひとり取り残されたかのようだった。

「な、なに……? これ、一体……」


『ウバイトォオ……オオ……オオオオル』


「へっ……?」

 遠くから、何かの雄叫びのような声が聞こえた。それは明らかに人間が発したような声ではなかった。遠く遠く、本当に遠くからの声だけれど、それを聞いて、あきらは真っ先に怪物という単語を思い浮かべた。ホラー小説は嫌いではないけれど、本当にホラーな状況に巻き込まれるわけにはいかない。あきらはどうしたものか考えながら、とにかく自宅へと急いだ。

 と――、

「――ドラァアア……!」

「ひぁ……!?」

 頭上からうめき声が聞こえた。それはどこか可愛らしい声だったのだけれど、状況を把握しきれていないあきらには、恐ろしい怪物の雄叫びと同じように、驚くべきものだった。

 コテン、と。

「ひゃっ!!」

「ドラっ!?」

 あきらの頭にポコンと何かやわらかいものが当たった。とっさにしゃがみ込み目をつむるあきらのすぐ近くに、ポコン、と、そのやわらかい何かは落ちたようだった。

「な、なになになに……。なんなの……?」

 涙目になりながら、そっと目を開く。目の前には、モコモコのぬいぐるみが落ちていた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
647Res/1111.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice