【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:15:25.62 ID:uBlGke+q0
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その日は、そのまままっすぐ家に帰った。
本当は、久久にゆうきと色々なところに寄り道して帰りたかった。
あきらは自室に入ると、そのままベッドに倒れ込んだ。
「あきら……?」
「ただいま」
暗闇から響く声に応じる。声の主――ロイヤリティの情熱の王女、パーシーはベッドを歩いて近づいてくる。
「大丈夫ドラ……?」
「うん。大丈夫だよ」
「でも、なんか辛そう、ドラ。あきら、悲しいドラ……?」
「……どうかな。どうなんだろ。わかんないや」
ぽふ、と。頭にやわらかい手が当たる。きっと撫でてくれているつもりなのだろう。
「あきら、一体どうしたドラ?」
「……ゆうきとね、一緒に帰りたかったの」
あきらはポツポツと話し始めた。
「ドラ」
「でもね、断られちゃった。大埜さんと約束があるんだって」
「ドラ……」
きゅっと、あきらの頭を抱きしめるように、小さな身体が密着する。
「どうしてだろう。日記とか詩ならいくらでも想いの丈を書けるのに、どうして口に出して言うことが、こんなに怖いんだろう」
気づけば、情けなさと悲しさで、目がうるんでいた。
「わたし、ダメな子だよ。大埜さんに嫉妬してるんだ。ゆうきを取られたって、そんな風に思ってるんだ」
「あきらはダメな子なんかじゃないドラ。パーシーを守ってくれている優しい人ドラ」
声はか細くて、今にもかき消えてしまいそうなほどだ。けれど、その優しさがただただ暖かい、そんな声だった。
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