【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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393:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:15:25.62 ID:uBlGke+q0

…………………………

 その日は、そのまままっすぐ家に帰った。

 本当は、久久にゆうきと色々なところに寄り道して帰りたかった。

 あきらは自室に入ると、そのままベッドに倒れ込んだ。

「あきら……?」

「ただいま」

 暗闇から響く声に応じる。声の主――ロイヤリティの情熱の王女、パーシーはベッドを歩いて近づいてくる。

「大丈夫ドラ……?」

「うん。大丈夫だよ」

「でも、なんか辛そう、ドラ。あきら、悲しいドラ……?」

「……どうかな。どうなんだろ。わかんないや」

 ぽふ、と。頭にやわらかい手が当たる。きっと撫でてくれているつもりなのだろう。

「あきら、一体どうしたドラ?」

「……ゆうきとね、一緒に帰りたかったの」

 あきらはポツポツと話し始めた。

「ドラ」

「でもね、断られちゃった。大埜さんと約束があるんだって」

「ドラ……」

 きゅっと、あきらの頭を抱きしめるように、小さな身体が密着する。

「どうしてだろう。日記とか詩ならいくらでも想いの丈を書けるのに、どうして口に出して言うことが、こんなに怖いんだろう」

 気づけば、情けなさと悲しさで、目がうるんでいた。

「わたし、ダメな子だよ。大埜さんに嫉妬してるんだ。ゆうきを取られたって、そんな風に思ってるんだ」

「あきらはダメな子なんかじゃないドラ。パーシーを守ってくれている優しい人ドラ」

 声はか細くて、今にもかき消えてしまいそうなほどだ。けれど、その優しさがただただ暖かい、そんな声だった。



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