【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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384:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:11:11.83 ID:uBlGke+q0

 唐突にかけられた言葉に、めぐみとゆうきは慌てて離れる。

「……っと、ひょっとしてお邪魔だったかな」

「お、お邪魔って何!? って、騎馬さん?」

「いや、私の見間違いでなければ、抱き合っているように見えたから。すまない。他言はしない。恋愛に節度は必要だが、自由ではあるべきだ」

「どんな勘違いをしているのかしらないけど違うからね!?」

 体育館の入り口に、とても同い年とは思えない、大人びた少女が立っている。はじめは冗談だよ、と笑いながらふたりにゆっくり歩み寄る。

「ど、どうかしたの? 私たちを探していたみたいだけど……」

「先ほど、選挙管理委員会から、正式に得票数の内訳のデータを頂いた。君たちにも見せておきたくてね」

 はじめはめぐみとゆうきの前に立つ。

「まったく恥じ入るような気持ちだよ。前生徒会長の先輩の助力を得ながら、私の得票数と大埜さんの得票数にほとんど差が見られなかったのだからね。正式な政治の場であれば、ともすれば再投票になっていたかもしれないよ」

 はじめはやれやれと笑う。その顔は、少し悔しそうに、めぐみには見えた。

「実質的に私の負けのようなものだ。全く、悔しくて仕方ないよ。そして、君たちのすごさに感服するばかりだ」

「そんな、言い過ぎよ。騎馬さんが勝ったのだから、もっと誇るべきだわ」

「……うん。そう、そうなのだろうな。いや、すまない。ヘンな話をしてしまった。こんな話を、他の生徒会のメンバーや、クラスメイトの皆に話すわけにはいかなくてね。なんとも情けないことだ。私は君たちに甘えてばかりいるな」

「そんなことないと思うけど……」

 自分に厳しすぎはしないだろうかと訝しむめぐみをよそに、はじめは気が抜けたように笑う。

「なんにせよ、いい立ち会い演説会だった。ふたりとも、本当にいい演説だったよ」

「あ、ありがとう……」

 はじめが手を差し出す。めぐみはその手を握り返しながら、はじめの澄んだ真っ直ぐな目を見つめ返す。はじめはゆうきとも握手をすると、言った。




「そして、これからもよろしく頼むよ。大埜副会長」



「え……?」

 そのはじめの言葉の真意を計りかねて、めぐみが聞き返す。

「聞き間違えかしら? 副会長?」



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