【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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351:名無しNIPPER[saga]
2018/03/04(日) 11:48:11.26 ID:NMs8LA5T0

…………………………

 校舎裏。ほとんど人がよりつかないそこに、彼女は主事のシュウと一緒に立っていた。

「そろそろ仕上げといこうか」

「疲れ切っているところにあたしたちふたりのウバイトール……。ふふ、さしものプリキュアもこれで終わりね」

「まぁ、ぼくひとりでも問題ないとは思うけどね」

「……手柄を独り占めするつもり?」

「冗談だよ」

 シュウとふたりでプリキュアを倒す。そして、脅威となるものすべてがなくなったこのホーピッシュを制圧する。それで、終わり――、

「――ご、後藤さん!」

「っ……?」

 背後からの声に振り返ると、そこには肩で息をするクラスメイト――騎馬はじめが立っていた。

「騎馬さん……?」

「放課後、脇目も振らずにいなくなるものだから探したよ。こんなことならためらっていないで、昼休みにでも話しかければよかった。でも、見つかってよかった」

「何か用?」

 焦れる気持ちをおさえて、はじめに向き直る。かつて、別の姿で相対したときのように、気絶させてしまえばそれで終わりだ。しかし、今はかりそめであれ生徒の姿をしている。その姿でそんなことをすれば、後々の不審に繋がりかねない。

「……お友達は大切にした方がいい」

 笑いをこらえているのを隠そうともせず、シュウは小声で言う。

「ぼくは先に言っている。君が来なければ、先にプリキュアを倒しているが、悪く思わないでくれよ」

「なっ……」

 言うが早いか、シュウは校舎裏を後にした。

「ち、ちょっと待ちなさいよ!」

「ま、待ってくれ!」

 慌ててシュウを追いかけようとするも、その手をはじめに掴まれる。

「何よ!」

「すまない。だが、少しだけでいい、私の話を聞いてくれないか」

「っ……」

 ここで無理を通して話がこじれるのも面倒だ。聞くだけ聞いて、すぐにシュウの後を追えばいい。それだけだと自分に言い聞かせ、はやる心を抑えてはじめに向き直る。

「言うなら早くしてちょうだい」

「ああ。単刀直入に言う」

 いつの間にか、はじめから、躊躇うような雰囲気は消えていた。

「私は……君と、友達になりたい」



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