【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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349:名無しNIPPER[saga]
2018/03/04(日) 11:47:19.33 ID:NMs8LA5T0

 何度も振り返りながら心配そうに教室を後にしたふたりを見送って、ゆうきとめぐみは同時にため息をついた。

「……そういえばさ」

「何かしら?」

「騎馬さん、うまくいったかな?」

「……どうかしらね。うまくいっているといいわね」

「うん」

 疲れ果ててはいるが、はじめの真摯な心を思うと、心配になると同時に、心が温かくなる。あんなに真面目で誠実な女の子に友達になりたいと言われて、嫌な気持ちになる子がいるとは到底思えない。

「あ……あの、ゆうき」

 横合いから声がかかる。振り向くと、幼なじみのあきらが、所在なげに立っていた。

「ああ、あきら。どうしたの?」

「も、もしよかったら、一緒に帰らない? この前言ってたオススメの喫茶店、連れてってほしいなー、なんて……」

「ああ……」

 そういえば、あきらにはひなカフェの話をしただけで、まだ一緒に行っていない。ゆうきとしてはその申し出は願ったり叶ったりだけれど、そうも言ってはいられない。

「ごめん。このあと、めぐみと生徒会選挙の準備をしなきゃいけないんだ。また今度、一緒に行こう?」

「あ……そ、そうなんだ……」 あきらは、視線を落とし、寂しそうに。「ううん。こちらこそ気を遣わせてごめんね。また今度ね」

「ゆうき、疲れているだろうし、美旗さんと行ってきたら? 準備は私ひとりでゆっくりやってもいいし……」

「そんなわけにはいかないよ!」

 めぐみの申し出に、自然と声が大きくなる。

「めぐみの推薦人を買って出たのはわたしだよ。そのわたしが、そんなことしちゃダメだよ」

「そ、そう?」 めぐみは嬉しそうにはにかんで。「嬉しいわ。ありがとう」

「うん!」

 だから、ゆうきは気づかなかった。あきらの寂しそうな瞳が揺れていたことに。

「……また、大埜さんなんだよね」



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