【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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339:名無しNIPPER[saga]
2018/03/04(日) 11:42:35.32 ID:NMs8LA5T0

…………………………

 その日の夜。

 彼女は今日のことを思い出しながら、ニヤニヤと笑っていた。

「本当に面白いわ。今までのことがバカみたいね」

 思い起こされる苦い記憶。プリキュアの光に臆し、怯え、震えていたこと。

「もうあんな思いはしない。プリキュアを翻弄して、疲れ果てさせて、そして……」

 コンコンと、部屋のドアがノックされた。

「鈴蘭ちゃん。ちょっといいかしら?」

 その声は、この家の主であるひなぎくさんのものだ。

「……何か用ですか?」

 相手が相手だ。無視するわけにもいかず、ドアを開ける。ひなぎくさんは心配そうな顔で、彼女を見下ろしていた。

「どうかしら。ダイアナ学園に転入して数日経ったけど、学校には慣れた?」

「……あんな不自由なところ、到底慣れません。慣れたいとも思いませんけど」

「まぁ、そうよね」

 ひなぎくさんは困ったように笑って。

「お友達はできた?」

「そんなもの必要ありません。もう寝るので、そろそろよろしいですか?」

「え、ええ。ごめんなさい。あ、ひとつだけいいかしら?」

 はぁ、と。ため息を隠す気にもならず、彼女は応じた。

「なんです?」

「シュウくんがまだ帰らないの。何か知らない?」

「……あたしが知るわけないでしょう」

「そう……。そうよね」

 ひなぎくさんは心配そうに目を泳がせて。

「……遅くにごめんなさい。おやすみなさい。また明日」

「はい」

 ドアを閉め。嘆息する。

「……この変わり様は一体何? あの方は一体何をお考えなのかしら」

 考えても答えは出ない。あの方の考えが、今まで一度だって、分かったことなどないのだから。



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