【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/03/04(日) 11:42:35.32 ID:NMs8LA5T0
…………………………
その日の夜。
彼女は今日のことを思い出しながら、ニヤニヤと笑っていた。
「本当に面白いわ。今までのことがバカみたいね」
思い起こされる苦い記憶。プリキュアの光に臆し、怯え、震えていたこと。
「もうあんな思いはしない。プリキュアを翻弄して、疲れ果てさせて、そして……」
コンコンと、部屋のドアがノックされた。
「鈴蘭ちゃん。ちょっといいかしら?」
その声は、この家の主であるひなぎくさんのものだ。
「……何か用ですか?」
相手が相手だ。無視するわけにもいかず、ドアを開ける。ひなぎくさんは心配そうな顔で、彼女を見下ろしていた。
「どうかしら。ダイアナ学園に転入して数日経ったけど、学校には慣れた?」
「……あんな不自由なところ、到底慣れません。慣れたいとも思いませんけど」
「まぁ、そうよね」
ひなぎくさんは困ったように笑って。
「お友達はできた?」
「そんなもの必要ありません。もう寝るので、そろそろよろしいですか?」
「え、ええ。ごめんなさい。あ、ひとつだけいいかしら?」
はぁ、と。ため息を隠す気にもならず、彼女は応じた。
「なんです?」
「シュウくんがまだ帰らないの。何か知らない?」
「……あたしが知るわけないでしょう」
「そう……。そうよね」
ひなぎくさんは心配そうに目を泳がせて。
「……遅くにごめんなさい。おやすみなさい。また明日」
「はい」
ドアを閉め。嘆息する。
「……この変わり様は一体何? あの方は一体何をお考えなのかしら」
考えても答えは出ない。あの方の考えが、今まで一度だって、分かったことなどないのだから。
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