【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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334:名無しNIPPER[saga]
2018/03/04(日) 11:40:13.13 ID:NMs8LA5T0

…………………………

「どういうこと……?」

 彼女は中庭の隅の生け垣に隠れ、その様子を眺めていた。

「ウバイトールだけ……? あのウバイトールは、ダッシューが作り出したもののようだけど……」

「ご明察。そのとおりだよ」

 いつの間に立っていたのだろう。背後には、この学校に新しく主事としてやってきた、シュウが立っていた。

「……あんた。どういうつもり?」

「言葉遣いがよくないなぁ。君は生徒。ぼくは学校関係者。一応、礼節は重んじるべきだと思うけど?」

「ふん。ロイヤリティみたいなこと言わないでくれる? 不快だわ」

 彼女はシュウを睨み付ける。

「どういうつもり?」

「……ふふ。考えてもみたまえよ。この潜入は、滅多にないチャンスなんだ」

「チャンス?」

「プリキュアたちを弱らせるチャンス、さ。君も一枚噛まないかい?」

 シュウは酷薄に笑う。

「ぼくたちは常にプリキュアたちの傍にいられるんだ。それを利用して、ウバイトールでプリキュアたちに断続的に攻撃をさせる。プリキュアたちはウバイトールを無視するわけにはいかないだろう?」

「ただのウバイトールなんて、今のあいつらの敵じゃないわ」

「大した敵でなくたって、疲労はたまる。彼女たちが疲れたときが、ぼくらがプリキュアを狩るチャンスなのさ」

 彼女はダッシューの言葉の意味を理解した。つまり、プリキュアたちを疲れさせ、弱らせ、疲弊したときに、本腰を入れて戦うということだ。

「……悪くないわね。いいわ。あんたのウバイトールが倒されたら、次はあたしのウバイトールね」

「決まりだ。三時間おきくらいかな。学校にいる間、断続的に攻撃を加え続けるんだ」

「ふふ。楽しみだわ。あのプリキュアどもが、あたしたちに跪く様が見られるのね」

 くくく、ふふふ、と、ふたつの笑いがこだまする。

 その横で、ロイヤリティの光が吹き荒れ、ウバイトールが浄化される。空の闇が晴れ、ホーピッシュが元の色を取り戻す。

 どこか釈然としない顔をするプリキュアたちの顔をそっと盗み見て、彼女はニヤリと笑みを浮べるのだった。



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