【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/02/25(日) 22:22:48.89 ID:LVapeV8q0
…………………………
一度、“助かった”なんて、思ってしまったからだろう。
身体は、先にも増して重いような気がする。
何より、空腹が限界を超えて、もはやお腹が空いているのか空いていないのか、それすら判然としない。
少し眠ることができたから、妙に頭が冴えている。
ギラギラと照りつける日光と、黒い大地からの照り返しに、今にも倒れそうだ。
ふと、倒れたらまた、ブレイとフレンが助けてくれるだろうか、なんて考えが頭をよぎった。
なんて情けないことを考えているのだろう。
それに、助けに来てくれるわけがないではないか。
あんな、ひどい啖呵を切って飛び出してきたのだ。さしものお人好したちも、フレンに愛想を尽かしたことだろう。
あんなの、ただの強がりだ。
ブレイとフレンに助けられたことが情けなくて、ブレイとフレンが先にプリキュアを生み出していることが悔しくて、それで、あんなことを言ってしまっただけだ。
愛の王女ともあろう者が、なんて情けないことをしてしまったのだろう。
「……愛。ああ、そうレプ。それは、ラブリには分からないものレプ」
何が愛の王女だろう。今まで、一度だって誰かの愛に触れたことがあるだろうか。そんな己が、どうして愛の王女などを名乗れるだろうか。
もはや、思考も判然としない。自信を打ち砕かれた天才王女は、そっとその場に跪いた。
倒れるなと教えられた。媚びるなと教えられた。常に王族らしくあれと教えられた。
その結果が、これだろうか。
ラブリはそのまま、天を仰ぐように地面に転がった。
どう考えたって終わりだ。これ以上歩く体力もない。気力もない。何もない。
「……これで終わりレプ。祖国はきっと、ブレイとフレンが救い出してくれるレプ」
そう思うと、安心できる気がした。ラブリはすべてを放棄して、そのまま――
『ラブリ……』
「レプ……」
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