【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/02/25(日) 22:20:11.60 ID:LVapeV8q0
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ゴドーは物陰から、倒れる愛の王女と、走り去るふたりの王子と王女の姿を眺めていた。
千載一遇の好機と言えよう。なにせ、探し求めていた愛の国の王女が、たったひとり目の前で倒れている。
「今なら、邪魔なプリキュアもいない……! 今なら!」
そう。今ならば、プリキュアがいない今ならば、少なくとも弱り果てている愛の王女だけでも、アンリミテッドに連れて帰ることができるだろう。ゴドーははやる心のままに、倒れ伏す愛の王女に向け走り出した。しかし、唐突に目の前に現われる陰があった。
「待ちなよ。そう急ぐことでもない」
「なっ……」
空から降りてきたダッシューは、通せんぼをするように、ゴドーの目の前で両腕を広げた。
「何の真似よ! 悪趣味な奴ね! ずっと空から見てたのね!」
「たまたまさ。ぼくはぼくの目的のために動いている。ただ、偶然にも君が、愚を犯そうとしているのを見かけたから、止めにきてあげただけさ」
「どういうことよ!」
ゴドーの剣幕にも、ダッシューはひるむ様子もない。端からゴドーの相手など、本気でするつもりなどないのだ。
「考えてもみなよ。いま出て行ったところで、どうせすぐにプリキュアたちが現われる。そうなれば、どちらにしろ愛の紋章やブレスを手に入れることは不可能だ。違うかい?」
「っ……」
それは確かにその通りかもしれない。勇気の王子と優しさの王女はプリキュアたちを呼びに行った。プリキュアたちはほどなくして現われるだろう。そうすれば、何の策もない現状であれば、ゴドーの敗北は必至だろう。
「でもこのまま待っていたって変わらないじゃない!」
「変わるさ」 ダッシューは酷薄に笑う。「忘れたのかい? 彼らロイヤリティの王族たちは、どこまでも仲が悪いんだよ?」
ダッシューのその笑みに、ゴドーもようやく、彼の意図するところに気づいた。
「……それもそうね。ふふ。国を奪われてもなお仲違いをする王族。見物だわ」
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