【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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304:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 22:20:44.92 ID:LVapeV8q0

…………………………

 ほんの数日さまよっていただけだというのに、もう何年も当て所のない旅をしていたように思える。

 ラブリはようやくロイヤリティに帰ることができたのだ。

 暖かい陽気。やわらかな光。穏やかな笑い声。それらが織りなす優しい世界に、帰ってきたのだ。

 ラブリの故郷、愛の国は、やはり愛で溢れていた。臣民は皆、ラブリを笑顔で出迎えてくれた。

 そして、人々の向こう、ラブリの両親である愛の国の王とお后様が待ってくれてる。

 ああ、ようやく帰ってくることができた。

 きっと、お父様もお母様も、ラブリを温かく迎えてくれる。

 ラブリは走り出した。

 あと少し。あと少しで両親に手が届く。

 あと少しで、温かい笑顔を、声を、愛を――



 ――世界が反転した。



「……っ、あ……」

「グリ! ラブリが目を覚ましたグリ!」

「ほんとニコ!」

 視界がぼやける。そのぼやけた視界の中を、何かが動いた。

「大丈夫グリ?」

 それが、モコモコの身体をした王子だとわかると、ラブリは自分を怒鳴りつけたい気持ちになった。ラブリはすぐに状況を把握したのだ。つまり、己は道端で倒れ、ブレイとフレンのふたりに拾われたということだろう。ここはどこだろうか。屋内のようだが、妖精のラブリにとっては、何もかもが大きく映る。ホーピッシュの人間の家なのだろう。

「レプ……」

「あ、まだ起きない方がいいグリ!」

 起きようとすると、モコモコの王子が自分の身体を押す。ただでさえ弱っているラブリは、それだけで動けない。しかし、そのまま寝ていることは、ラブリの色々なものが許さない。

「……大丈夫レプ。ラブリは君たちに情けをかけられるほど落ちぶれていないレプ」

「なっ……! まだそんなことを言っているニコ!?」



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