【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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300:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 22:18:31.34 ID:LVapeV8q0

…………………………

 ――――『大した “優しさ" だな、キュアユニコ』

 ――――『筋はいいが、素人同然だ。それでは俺には勝てんな』

 ――――『ああ、それまで、俺も刃を研いでおくことにしよう。さらばだ、キュアユニコ』

 思い起こされる先日のゴーダーツとの戦い。めぐみの、キュアユニコの全力は闇の戦士に遠く及ばなかった。今思い出してもわかる。あれは、とてつもない強さだ。そしてゴーダーツは恐らく、一度プリキュアに敗北寸前まで追い詰められたからこそあの力を得た。つまり、もう油断も慢心もすることはないだろう。次に目の前に現れるときは、もっと強くなっていることだろう。

 ――――『でも、わたしたちも強くなる。絶対に、負けない』

 ああ言ったものの、どうしていいのか、具体的な考えはまったく浮かばない。ようやく手にすることができたカルテナの力も、ゴーダーツには及ばなかった。このまま再びゴーダーツとぶつかれば、次こそは負けてしまうかもしれない。そうしたら、フレンやブレイ、延いてはこの世界は――


「――深刻な顔してどうしたの?」


「わひゃっ!?」

 突然目の前に脳天気な親友の顔が現れて変な声が出た。時刻はお昼休み、ゆうきとふたり、お弁当に舌鼓を打っている最中だった。

「そんなに驚かなくても……」

「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事をしていたの」

「だと思ったよ。で、何を考えていたの?」

 めぐみは正直に思っていたことを話した。このままでは、きっとゴーダーツには勝てないであろうという予想も含めて、しっかりと。しかし、ゆうきの反応は脳天気どころか、予想をはるかに超えたものだった。

「そんなことであんな深刻な顔をしていたの?」

 呆れるような声だった。

「そ、そんなことって。深刻なことでしょう。ゴーダーツどころか、その背後にはあのデザイアだって控えているのよ」

「まぁ、それはそうなんだけど。てっきり、生徒会選挙のことで何か悩んでるのかと思ったよ」

「世界の危機より生徒会選挙!?」

「そりゃそうだよ! なんてったって、大親友の晴れの舞台だからね! はりきっちゃうよ!」

 まったく、この親友は。と、めぐみは脳天気に笑うゆうきを見て、深刻に考えていた自分がバカみたいに思えてきた。ゆうきの顔を見ていると、本当に自分が考えていたことなど、大したことではないように思えてくるから、不思議だ。

「大丈夫。きっとなんとかなるよ。だって、情熱のプリキュアと愛のプリキュアもいるんでしょ? 王女様ふたりを探し出して、プリキュアを見つけるお手伝いをすれば、きっとゴーダーツにだって勝てるよ。デザイアにもね。そうしたら、ちゃんとお話、聞いてもらえると思うんだ」

 ゆうきの言葉は、どこまでも希望にあふれている。めぐみは元より、自分たちの国を滅ぼされたブレイとフレンも、そんな彼女の笑顔だからこそ、信じてくれているのだろう。



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