【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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284:名無しNIPPER[saga]
2018/02/18(日) 19:16:46.34 ID:nI3CgSSH0

…………………………

「はァ……!」

「ッ……!?」

 一進一退の攻防を続けていたつもりだった。しかし、キュアユニコはその瞬間思い知らされた。

(この人、とてつもなく強い……!)

 まるでこの前までのゴーダーツとは別人のようだった。剣を持ち、何かの覚悟を決めたゴーダーツに、カルテナの力をもってしてもユニコは圧倒されていた。それは、現時点で埋めようのない明確な戦力差に思えた。

 気合いの声とともに振られた剣はうなりを上げ、ユニコに襲いかかる。ユニコはカルテナでそれを受け止めたつもりだが、大きく後ろにはじき飛ばされた。膂力、重量、剣技、何をとってもゴーダーツの方が二枚も、三枚も上手だったのだ。

 しかし、吹き飛ばされたユニコは、空中で優しく抱き留められた。キュアグリフだ。

「大丈夫、ユニコ?」

「ええ、ありがとう、グリフ。でも、あのゴーダーツはとてつもない強さだわ。まるでこの前までとは別人よ」

 ようやく、ふたりのプリキュアが並び立った。喧嘩をして、行き違いがあって、それでもこうして、お互いの手を取り前を向ける。それが、とてもありがたいことだと、ユニコには思えた。

「これだけ斬り結べたのは、貴様が初めてだ、キュアユニコ。だが、所詮は素人の剣。俺の敵ではない」

 ゴーダーツが剣を構え、言う。ゴーダーツの剣の技量はすさまじい。全力で打ちかかられれば、グリフとユニコが二人同時にかかったとしても、勝てるかどうか分からない。とてつもない強敵だ。それでも、ユニコは不思議と怖くなかった。

「ねえ、あの、“めぐみ”?」

「……何、ゆうき?」

 おずおずと、自分の名前を呼んでくれる親友。勇敢で、かわいらしくて、ちょっとドジな、彼女が隣にいてくれるから。だから、怖くない。

「今さらな気もするけど、名乗りたいなー、なんて」

「そうね。誰かさんが変身端に突っ込むから、口上を言えていないものね」

「……うぅ、ごめんなさい」

「冗談よ。ごめんなさい、意地悪だったわね」

 それは、ひょっとしたらプリキュアたちの心をひとつにする、おまじないのようなものなのかもしれない。キュアグリフとキュアユニコは、背筋をピンと伸ばし、高らかに宣言した。


「立ち向かう勇気の証、キュアグリフ!」


「守り抜く優しさの証、キュアユニコ!」


「「ファーストプリキュア!」」




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