【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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276:名無しNIPPER[saga]
2018/02/18(日) 19:10:44.39 ID:nI3CgSSH0

…………………………

「ゴーダーツ……!」

 プリキュアにとって、少なからず因縁のある相手である。出で立ちは、グリフもユニコもよく知るゴーダーツそのものだ。

 しかし、何かが明確に違う。

「礼を言うぞ、プリキュア。これではっきりした」

 その身に纏う雰囲気が明らかに異質なものだった。

「貴様らロイヤリティの光は、我が剣の前には無力だ」

「何を……!」

 ユニコはゴーダーツを睨み付ける。

「それなら、もう一撃よ! いくわよ、グリフ!」

「う、うん!」

 唐突なゴーダーツの登場に頭が追いつかないグリフは、ユニコの言葉でようやく我に返り、繋いでいる手にぐっと力を込める。

 ふたりの絆の力が新たな光を生む。それは圧倒的な、ロイヤリティの清浄なる光だ。

「私にとって、その力はもはや脅威ではない」

 言葉を紡ぐときには、ゴーダーツはすでに跳んでいた。

「しかし、黙って撃たせると思うか?」

「っ……!」

 ゴーダーツの漆黒の凶刃がふたりに迫る。とっさに両手をかざし、ユニコが “守りぬく優しさの光” の壁を作り出す。青く優しい光は剣を受け止めた、かのように見えた。

「この程度の壁、破れぬと思ったかッ!」

「キャッ……!」

 ゴーダーツの剣は、あまりにも呆気なく光の壁を切り裂く。その余波だけで、グリフとユニコは後ろへ吹き飛ばされた。

「キャアアアアアアアアアアアア!」

 まるで巨人の手で、“守り抜く優しさの光”が無理に引き裂かれたようだった。ゴーダーツは倒れ伏すグリフとユニコを睥睨し、確かめるように自らの手を握った。

「……私はもう、過去を見返すようなことはしない。されど、私自身の欲望のため、今一度過去を利用する。ただ、それだけだ」

 ゴーダーツの言葉の意味は分からない。意味は分からなくとも、彼がただならぬ覚悟を決めてその場に立っていることは嫌でも理解できた。そうでなければ、ロイヤルストレートを切り裂き、“守り抜く優しさの光”を破ることなど到底できないだろう。



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