【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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274:名無しNIPPER[saga]
2018/02/18(日) 19:09:23.89 ID:nI3CgSSH0

「……えへへ、親友、親友かぁ」

「なんか、照れるわね……」

 目の前で仲良く笑っている伝説の戦士が憎くてたまらない。ゴドーやウバイトールを歯牙にもかけぬその強さが、ほしくてたまらない。

 けれど、ゴドーの欲望という名の戦意は、すでに――、

「……ゴドー」

「ひっ……」

 情けないことだというのは分かっていた。欲望の戦士にあるまじき、弱い悲鳴をあげてしまったのだ。そんなゴドーを、キュアユニコは哀れむような目で見ていた。

「そこをどきなさい。私たちはウバイトールを浄化するわ。そこにいたら、あなたも巻き込んでしまうわ」

「な、何を……」

「強がらないで。あなた、戦えるの?」

 キュアユニコの問いに、腹の内に冷たいものが差した。戦えないと、分かっているのだ。戦うのが怖いと、肝が冷えてしまうのだ。

 こうして対峙しているだけで、怖くて仕方がないのだ。

「ともえちゃんを傷つけたことは許せないし、あなたには何の義理もないけど、戦う気がない人にまで危害を加える気はないわ。どきなさい、ゴドー。そしておとなしく、エスカッシャンを返しなさい」

 このままでは、自分は滅ぶ。ロイヤリティの圧倒的な光の力は、間違いなく自分を貫き、浄化し、容赦なく消滅させるだろう。

 そう、あの、忌々しいロイヤリティの力が――、



『――ぼくは、君を愛している――』



 浮かぶ言葉。思い出したくもない過去。忘れてしまった過去。

 何も思い出せないのに、激烈な拒否反応が生まれる記憶。

 それを振り払うように、ゴドーはかぶりを振った。

「ッ……!!」

 死ぬのは怖い。怖いけれど、それでも。

「……撃ちなさいよ。撃って、あたしを消滅させなさいよ!! ロイヤリティの犬風情がッ!!」

 それでも、譲れない。怖くたって、絶対に譲れない。

 ゴドーは、覚えている。そして、絶対に忘れないだろう。

 ロイヤリティという名の、彼女にとっての、地獄を……!



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