【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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272:名無しNIPPER[saga]
2018/02/18(日) 19:07:51.68 ID:nI3CgSSH0

 傷つけてしまったのなら、どうするか。

 きっと、さっきまでのグリフならすぐには思い浮かばなかっただろう。思い浮かんだとしても、また傷つけてしまうのが怖くて、行動には移せなかったかもしれない。けれど、今は怖いなどと考える余裕すらなかった。

 自分勝手なことだ。その瞬間、ゆうきはめぐみを失いたくないと、心の底から思ったのだ。

 気づいたら、ほんの少し前まで立ち上がれなかったのが嘘のように、グリフはユニコに駆け寄って、背後から抱きついていた。

「ごめん……ごめんなさい。ひどいこと言ってごめんなさい。関係ないなんて言っちゃってごめんなさい。だから、お願いだから……嫌いにならないで」

 まるっきり自分勝手でしかない言葉だ。悪いことをしてしまった。それなのに、謝罪だけで許してもらおうとしている。嫌いにならないでなんてわがまま、臆面もなく言っている。

「私のこと、嫌いになったんじゃないの?」

 キュアユニコが、鼻を啜りながら問うた。

「嫌いになるわけないじゃん! わたしはだって、ユニコともっと仲良くなりたいもん!」返す言葉は、本当にだだっ子のようだった。「わたしは、大埜さんともっと仲良くなりたいんだもん!」

 ユニコに抱きつく手が、優しく握られた。

「私だって、あなたに嫌われるなんて嫌よ。王野さん」

「大埜、さん……」

 ああ、やっぱり、ユニコはユニコだ、と。グリフは、ユニコに優しく握られた手から、ユニコの暖かさが自分に流れ込んでくるように思えた。

「あの、ごめんね。ひどいこと、たくさん言っちゃった」

「……親友に “嫌われるなんていやだ" なんて言われたんだもの。何を言われたか、もう忘れちゃったわ」

 ユニコの茶目っ気たっぷりの言葉。グリフを励ます、魔法の言葉だ。

「親友……わたしと、ユニコが、親友……」

「……いや?」

 本当は不安で仕方なかったのだろう。ユニコが不安げに問う。

「いやなわけないよ! すっっっっっごく嬉しい! わたしたち、親友だよ!」

「ちょ、ちょっと苦しいわよ、グリフ!」

 グリフに背後から抱き竦められたままのユニコが悲鳴を上げる。けれど、すぐに笑顔に変わる。お互いの暖かさを感じながら、ふたりは身体中から力がわき上がるのを感じた。



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