【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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271:名無しNIPPER[saga]
2018/02/18(日) 19:07:24.48 ID:nI3CgSSH0

「ウバイトール、やっちゃいなさい」

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 ウバイトールが拳を振り上げた。ああ、これで終わりなのかもしれない、とグリフは漠然と思った。それでも、力が入らなかった。ブレイとフレン、そしてまだ見ぬふたりの王女に申し訳なかった。己の自分勝手な行いで、プリキュアが負けてしまう。

(ああ、あと、一言、大埜さんに謝りたかったな……)

 目を閉じた。そのまま、風を切る音がして、ウバイトールの拳が眼前に迫り――、

「――キュアグリフ!」

 凛とした声が飛んだ。目の前に人が立ちはだかる気配がして、グリフは閉じた目を開けた。

 目の前には、ウバイトールの拳を青き清浄な光で受け止める、キュアユニコの姿があった。

「ユニコ……!?」

「はぁ……ッ!」

 キュアグリフとウバイトールの間に割り込んだキュアユニコは、“守り抜く優しさの光”に力を込める。ウバイトールの拳が大きく弾かれる。

「ユニコ……」

 キュアユニコの必死な声と、“守り抜く優しさの光”の清浄な光に照らされて、グリフはいつの間にか落ち着きを取り戻していた。

 そして、自分が何を言ったのか、何をしてしまったのか、それを改めてしっかりと理解した。

「わ、わたし……」

 ひどいことを言った。友達だなんて二度と言えないような、ひどいことだ。

 大埜さんには分からない、と。関係ない、と。そんなひどいことを、友達だと思っている相手に、言ってしまったのだ。

 ユニコは、そんなひどいことを言った自分を、それでも守ってくれるような、優しい人なのに。

 そんな相手を、友達を、ひどい言葉で傷つけてしまった。

 ユニコはグリフに背を向けたまま、こちらを見ようともしない。

「……関係ないわけ、ないじゃない」

 それは今にも泣きそうなくらい、か弱い声だった。

「たしかに、私は一人っ子で、姉妹のことなんて分からないけど……それでも、あなたと私が関係ないだなんて、そんな悲しいこと言わないで」

 決定的だった。振り返ったキュアユニコの瞳には、いっぱいの涙がたまっていた。本当の本当に、傷つけてしまったのだ。



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