【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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267:名無しNIPPER[saga]
2018/02/18(日) 19:04:10.02 ID:nI3CgSSH0

「だ、ダメよ!」

 ユニコはすがりつくようにグリフの腕を掴んだ。ここで掴めなかったら絶対に後悔すると思ったからだ。

 しかし、

「放して」

「いやよ! また無茶をする気でしょう! 一度落ち着きなさい!」

「だって、ともえが傷つけられたんだよ? 大事な家族なんだよ?」

 グリフはやはり、ユニコに顔すら向けようとしない。

「わからないかな。わからないよね。だって大埜さん、一人っ子だもんね」

「グリフ……」

「大埜さんには、関係ないもんね」

「っ……」

 放してはいけない。放したら、絶対に後悔する。

 そう分かっていても、指から力が抜けていくのを止められなかった。

「……ありがとう」

 グリフはそれだけ言うと、再びゴドーに向かって跳んだ。

「私……」

 ユニコは、グリフを放してしまった自分の手を見つめた。放す気などなかったのに、放してはいけないと分かっていたのに、それでも放してしまった、手だ。

 掴んだ手の力を抜いてしまった。

 キュアグリフを行かせてはいけないと思っていても、行かせてしまった。

 グリフの――ゆうきの敵意が、自分に向くのが怖かった。

 また、ゆうきに厳しい言葉を放たれるのが怖くて、ユニコは手を放してしまったのだ。

 伸ばした手は届かない。

 大切な友達に、今は、届かない。



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