【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/02/18(日) 19:04:10.02 ID:nI3CgSSH0
「だ、ダメよ!」
ユニコはすがりつくようにグリフの腕を掴んだ。ここで掴めなかったら絶対に後悔すると思ったからだ。
しかし、
「放して」
「いやよ! また無茶をする気でしょう! 一度落ち着きなさい!」
「だって、ともえが傷つけられたんだよ? 大事な家族なんだよ?」
グリフはやはり、ユニコに顔すら向けようとしない。
「わからないかな。わからないよね。だって大埜さん、一人っ子だもんね」
「グリフ……」
「大埜さんには、関係ないもんね」
「っ……」
放してはいけない。放したら、絶対に後悔する。
そう分かっていても、指から力が抜けていくのを止められなかった。
「……ありがとう」
グリフはそれだけ言うと、再びゴドーに向かって跳んだ。
「私……」
ユニコは、グリフを放してしまった自分の手を見つめた。放す気などなかったのに、放してはいけないと分かっていたのに、それでも放してしまった、手だ。
掴んだ手の力を抜いてしまった。
キュアグリフを行かせてはいけないと思っていても、行かせてしまった。
グリフの――ゆうきの敵意が、自分に向くのが怖かった。
また、ゆうきに厳しい言葉を放たれるのが怖くて、ユニコは手を放してしまったのだ。
伸ばした手は届かない。
大切な友達に、今は、届かない。
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