【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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254:名無しNIPPER[saga]
2018/02/11(日) 18:25:20.42 ID:Vt5kauhK0

「あら、何を?」

「私を連れ戻してこいって」

 めぐみは目をまんまるにして。

「違うわ。私が勝手にあなたを追いかけただけよ。でも、安心した」

「なんですか」

 めぐみの話に興味なんてないだろう。だからめぐみはわざと含みを持たせるように言った。

「『お姉ちゃんが自分のことを案じてくれている』って思うくらいには、お姉ちゃんのことを信じているのね」

「っ……」

 ともえの顔が赤くなった。恨みがましい目がめぐみを向く。めぐみはそのともえの可愛らしい様子に、いつの間にか意識せずとも微笑みが浮べられていることに気がついた。だからめぐみは、自然と言葉を続けることができた。

「実はね、私も王野さんと喧嘩しちゃったの」

「えっ」

「喧嘩っていうか、私が怒られちゃっただけだけどね」

 めぐみは川の水面を眺めたまま言う。心がズキズキと痛んだ。



 ――――『……大埜さんには分からないよ!』



 たしかに、分からないのかもしれない。また、友達を怒らせてしまった。お節介だっただろうか。迷惑だっただろうか。嫌われてしまっただろうか。

 それでも、めぐみはゆうきのために言ってあげたかったのだ。

 しばらくして、ともえがそっと呟いた。

「……お姉ちゃんのバカ」

「そう言わないであげて。王野さんもあなたのためを思っているのよ。もちろん、叩くのはいけないことだけれど……」

「そうじゃないです。お姉ちゃんのために色々としてくれてるあなたを怒るなんて、バカだって言うんです」

 ともえから発せられたのは予想外の言葉だった。



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