【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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251:名無しNIPPER[saga]
2018/02/11(日) 18:23:51.98 ID:Vt5kauhK0

…………………………

 してはいけないことをしてしまった。ゆうきは自分がしたことが信じられないでいた。

 妹の言葉に驚き、衝動的に頬を張ってしまった。

「あ、いや、その……」

 言葉が出てこない。信じられないという顔をするともえと、今まさにその頬を叩いてしまった自分の右手を交互に見比べる。ともえの頬は少し赤くなっている。自分の右手もまた、少し赤くなっていて、ジンジンと痛む。



 ――――『だってぇ、ゆうきって怒っても怖くないしぃ』



 ユキナの言葉が思い出される。怒っても怖くない。だからともえが言うことを聞かないのだとしたら、ここでまた厳しい言葉をかけないといけないのだろうか。事実、ともえの言葉は家族として許しておけるものではない。

 しかし、ならば自分が暴力に訴えてしまったことはどうなる。妹の言葉に衝動を抑えられず、頬を叩いてしまうなど、それこそともえの先の言葉よりひどいことではないか。

 どうしたらいいか、分からない。

「……バカ」

 どれくらい逡巡していたのだろうか。ともえはやがて悲しげな目をして、ゆうきの脇を通り抜け、リビングから出て行った。

「あっ……と、ともえ!」

 そのままバタバタと玄関から外へ出て行く音が聞こえる。慌てて追いかけようと玄関へ身を翻したゆうきの手を、掴む手があった。めぐみの手は、いつになく強い力でゆうきを掴んでいた。

「大埜さん……」

「…………」

 めぐみは渋い表情をして、首を横に振るだけだった。

「で、でも、追いかけなきゃ!」

「追いかけて、どうするの? あなたはともえちゃんになんて声をかけるつもり?」

 めぐみの問いかけは、淡々としていた。

「そ、それは……」

 分からない。先ほどだって逡巡するだけで何も言えなかった。それは今も変わっていない。ともえに追いついて話を聞いてもらったところで、ゆうきが言葉を紡げない。



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