【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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248:名無しNIPPER[saga]
2018/02/11(日) 18:21:44.22 ID:Vt5kauhK0

…………………………

「ねえ、今日は本当に私がお家に伺ってしまっていいのかしら?」

「へ?」

 放課後。暖かい陽気の下、通学路をゆうきと並んで歩く。けれどめぐみの心は不安でもやもやしていた。

「どうしたの、大埜さん?」

「どうかしたニコ?」

 ゆうきと一緒に、めぐみのカバンの中からひょっこり顔を出したフレンも不思議そうな顔をしている。

 めぐみとフレンがゆうきと一緒にいるのは、ブレイのお見舞いに行くためだ。ゆうきがめぐみとフレンに、ブレイのお見舞いに行くことを提案したからだ。フレンはブレイのことなど心配ではないと毒づきつつついてきて、そしてめぐみはというと、

「いえ、あの、その……」

 どうしてもさっきから落ち着きがない。ブレイのお見舞いには行きたい。行きたいが、しかし。

「実は、その……お友達の家に遊びに行くのって、小学生のとき以来だから、緊張してしまって……」

 ゆうきとフレンの視線に、めぐみが顔を真っ赤にしてそう答えた。

「緊張?」

「ええ……」 めぐみは、ぷいと目をそらして。「私、そういう友達、今までいなかったから」

 べつに、嫌われ者というわけではない。

 取り立てて浮いているというわけでもない。

 けれど、どこか、人と接することが少なくて。

 たまに誰かとお話したと思えば、相手を怒らせてしまったり、悲しませてしまったり。

 自分の口べたを、心の底から呪っていても、なかなか直せなくて。

 子どもの頃は、どんな風に友達と接していたか、どうしても思い出せなくて。

「大埜さん……」

「でもね、緊張してるけど、嬉しいの」

 めぐみは顔を上げた。ゆうきがオロオロと、どうしていいのか分からないような顔をしている。その顔に、ふっとほほえみかける。

「王野さんが私をお家に誘ってくれて、本当に嬉しかったわ」

「……うん! それなら良かったよ!」

 屈託なく笑うゆうきの顔を見て、めぐみは本当に、心の底から思うのだ。

 この子と友達になれて、良かった。



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