【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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247:名無しNIPPER[saga]
2018/02/11(日) 18:21:18.07 ID:Vt5kauhK0

 せっかくもらったのだから、と。ともえは今つけていた髪留めを外して、その髪留めで髪をまとめた。

「……どうかな?」

「似合うよ、ともえ。ともえはかわいから何でも似合ってうらやましいよ」

「そんなことないよ。でも、ありがとう。大事に使うね」

「うん」

 友達から何か物をもらえば、それはもちろん、とっても嬉しい。ともえはいつもつけている髪留めをポケットにしまった。

 小さな頃から使っている、大事な髪留めだ。まだ小さな頃、誰かからもらったものだ。

(あれ……?)

 ともえはポケットの中の髪留めをもう一度取り出して、見る。

(これって、誰からもらったんだっけ……?)

 小さな頃だから、母か父だろう。しかし、そうではない気もする。親戚か誰かだろうか。

「旅行、どこに行ってきたんだっけ?」

 おみやげをくれた友達に、他の友達が聞く。その声で、ともえは現実に引き戻された。髪留めをポケットにしまい直し、顔を上げる。

「夕凪町っていうところ。海がすっごくきれいだったよ」

「へぇー、いいなぁ。私もお父さんとお母さんにどこか連れてってもらいたい……」

 ふたりの話を聞きながら、ふとともえは思う。

(あれ……? そういえば、私、家族旅行に最後に行ったのっていつだっけ……?)

 よく思い出せない。低学年の頃に行ったのが最後だったような記憶がある。

 おぼろげで、あいまいな記憶だ。少なくとも、今すぐにはっきりと思い出せるほど明確な記憶ではない。

「…………」

 つまりは、それだけ長い間、家族旅行をしていないということだ。

「ともえ、どうかしたの?」

「……ううん」

 それがどうしたというのだ。どうも、今朝の夢といい今といい、今日は調子が狂う。ともえにはその理由はまったく分からないし、考えたくもない。

 分からない。

 分からないけれど、なんだか、胸がとってもムカムカする。



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