【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/02/11(日) 18:18:32.65 ID:Vt5kauhK0
…………………………
「……んう?」
朝食を済ませて、登校準備の真っ最中。自分の部屋で持ち物の最終確認。忘れ物をすることが多い自分だからこそ、厳重に何度も何度も確認だ。そんなときに、その音は聞こえた。
ぽよんぽよんぽよん、という規則的なやわらかい音。どうやら廊下の方からしているようだ。
「なんだろう?」
ゆうきは訝しみながら、部屋のドアを開けた。
「あ……」
開けて音のする方を見た途端、目が合った。
おもしろそうな顔をしながら、廊下で何かをお手玉のように投げている妹のともえ。問題は、その何かだ。
「あ、あああああああ!!」
勇気の王子こと、もふもふのぬいぐるみのような妖精、ブレイ。涙目で、ゆうきに向けて助けて! と視線で訴えている。
「ちょっ、ちょっとともえ!? あんた何やってるの!」
「お姉ちゃん、このぬいぐるみ、どうしたの? こんなの持ってなかったよね?」
「えっ、ど、どうしたって……」
質問で返されて、ゆうきは返答に窮する。まさか空から降ってきたなんて言えるはずもない。
「と、友達からもらったんだよ」
「……ふーん。
ともえは目を回しているブレイを両手で受け止めると、思案顔をして、やがてニィと意地悪く笑った。
「じゃ、これあたしにちょうだい?」
「えっ!? だ、ダメだよ! それは大事なものなの!」
「そ。じゃあ、返すね」
「えっ、あっ、ちょっと……!」
ぽいっと、ともえがどうでもよさそうにブレイを放る。ゆうきが慌てて自分の方に飛んできたブレイをキャッチする。
「ほっ。よかった……。じゃない! こら、ともえ!!」
「じゃあ、行ってきまーす!」
「あ、ま、待ちなさい!! こらーーー!!!」
言って聞くような妹ではない。ゆうきがブレイをキャッチしているすきに、すでに階下に降りていたともえは、ランドセルを背負ってそのまま玄関を出て行ってしまった。ゆうきが階段から下をのぞいたときにはすでに、不思議そうな顔をしたひかるが、「行ってきます」と言い残してともえを追いかけていくところだった。
「はぁ……」
ゆうきはどうしたものかと嘆息する。
ここのところ、ともえの反抗期がひどすぎる。
「グリ〜〜〜〜〜」
その手の中では、散々お手玉にされたからだろう。ブレイが目を回して呻いていた。
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