【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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242:名無しNIPPER[saga]
2018/02/11(日) 18:18:32.65 ID:Vt5kauhK0

…………………………

「……んう?」

 朝食を済ませて、登校準備の真っ最中。自分の部屋で持ち物の最終確認。忘れ物をすることが多い自分だからこそ、厳重に何度も何度も確認だ。そんなときに、その音は聞こえた。

 ぽよんぽよんぽよん、という規則的なやわらかい音。どうやら廊下の方からしているようだ。

「なんだろう?」

 ゆうきは訝しみながら、部屋のドアを開けた。

「あ……」

 開けて音のする方を見た途端、目が合った。

 おもしろそうな顔をしながら、廊下で何かをお手玉のように投げている妹のともえ。問題は、その何かだ。

「あ、あああああああ!!」

 勇気の王子こと、もふもふのぬいぐるみのような妖精、ブレイ。涙目で、ゆうきに向けて助けて! と視線で訴えている。

「ちょっ、ちょっとともえ!? あんた何やってるの!」

「お姉ちゃん、このぬいぐるみ、どうしたの? こんなの持ってなかったよね?」

「えっ、ど、どうしたって……」

 質問で返されて、ゆうきは返答に窮する。まさか空から降ってきたなんて言えるはずもない。

「と、友達からもらったんだよ」

「……ふーん。

 ともえは目を回しているブレイを両手で受け止めると、思案顔をして、やがてニィと意地悪く笑った。

「じゃ、これあたしにちょうだい?」

「えっ!? だ、ダメだよ! それは大事なものなの!」

「そ。じゃあ、返すね」

「えっ、あっ、ちょっと……!」

 ぽいっと、ともえがどうでもよさそうにブレイを放る。ゆうきが慌てて自分の方に飛んできたブレイをキャッチする。

「ほっ。よかった……。じゃない! こら、ともえ!!」

「じゃあ、行ってきまーす!」

「あ、ま、待ちなさい!! こらーーー!!!」

 言って聞くような妹ではない。ゆうきがブレイをキャッチしているすきに、すでに階下に降りていたともえは、ランドセルを背負ってそのまま玄関を出て行ってしまった。ゆうきが階段から下をのぞいたときにはすでに、不思議そうな顔をしたひかるが、「行ってきます」と言い残してともえを追いかけていくところだった。

「はぁ……」

 ゆうきはどうしたものかと嘆息する。

 ここのところ、ともえの反抗期がひどすぎる。

「グリ〜〜〜〜〜」

 その手の中では、散々お手玉にされたからだろう。ブレイが目を回して呻いていた。



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