【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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227:名無しNIPPER[saga]
2018/02/04(日) 10:17:33.53 ID:KQnxmm/50

 ユニコは、無言。顔はうつむき、肩が震え、固く握りしめられた拳もまた、ブルブルと震えている。

「あ、あの……ユニコ?」

「…………」

 ああ、これはいけない。もはやユニコにはグリフの言葉さえ届いていないのだ。グリフは慌ててユニコの傍を離れ、近くに隠れていたブレイとフレンを優しく抱き上げ、その目を覆った。

「グリ?」

「どうしたニコ、グリフ」

「いや……なんかすごく嫌な予感がするから」

 と、いうよりは相棒としての勘だろうか。これからユニコは、きっととんでもないことをしでかす。

 それはもう確信に近い。

「だからブレイ、フレン……もしかしたら、耳を塞いでた方がいいかも」

「何でグリ?」

「だって……優しくて恥ずかしがり屋で照れ屋で、少し素直になれない……そんなユニコのイメージ、壊したくないでしょ?」

 我ながらすさまじい説得力だと思った。ブレイとフレンはビクリと身体を震わせると、グリフの手の中で固く目をつむり、ギュッと耳を塞いだようだった。

「……? 何やってるんだか知らないけど、チャンスね! ウバイトール! まずはあの白い方を倒しなさい!」

「…………」

 うつむき、今や全身をブルブルと震わせているユニコ。

(ああ……わたし、どこかで聞いたことあるなぁ)

 と、グリフはどこか遠い場所からその光景を眺めているような気分で。

(あれ……たぶん、“武者震い” ってやつだよね)

 というよりは、抑えきれないほど強い怒りによる震えか。

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 哀れかな。けれどそんなこと、ゴドーはおろか、ウバイトールも知る由もない。ユニコに向け突進し、その巨体をもって吹き飛ばそうとする。

「……はぁあああああああああああああああ……」

 まるで武道の呼吸法。ユニコがうつむいたまま、深い声をあげる。瞬間的に生まれたのは、空色の優しい光。

“守り抜く優しさの光” 。



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