【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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206:名無しNIPPER[saga]
2018/02/04(日) 10:02:38.72 ID:KQnxmm/50

 ダッシューのからかいにいちいち目くじらを立てるゴーダーツ。それを面白がるようなダッシュー。どっちもどっちだ。片や真面目すぎで、片や不真面目すぎる。そんなところが、ゴドーにはどうにもこうにも我慢できない。

「ダッシュー、そういうあんただって、すでにプリキュアに二回も負けているって話じゃない。そんな偉そうなことが言える立場かしら?」

「まあ、そういうこともあるさ。ぼくも遊びたいときだってある」

「どうだか。結果を出せていないんじゃ、そんな言葉、単なる言い訳にしか聞こえないわよ」

「…………」

 相も変わらず考えていることが読めない男。軽薄な笑みの裏に、何を考えているのか皆目検討がつかない。ゴドーの直接的な罵倒にも、眉一つ動かすことなく微笑んだままだ。

「もういいわ。あんたたちに用なんてないの。ゴーダーツ、デザイア様は奥の間?」

「いや……」

 上司の行き先を問うた途端、ゴーダーツが言いよどんだ。

「どうかしたの?」

「……姿を拝見していない。奥の間にもいらっしゃらないようだ。おそらくは、どちらかへお出かけになっている」

「はぁ? 最高司令官がお出かけ? のんきなもんねー。ったく」

「貴様……! 俺のことならいざ知らず、デザイア様のことを愚弄することは許さんぞ」

 こんなキャラだっただろうか。いや、だったような気もしないでもない。どうでもいい。

「はいはい、どうでもいいわ。何にせよ、居場所が分からないんじゃ、到着の報告もできないわね……」



「――……否。私はここにいる」



 アンリミテッドの暗闇がより一層黒くなった。世界が有り様を変えたようだった。

「っ……」

 腹の内が抉られるような、著しい緊張感。あり得ないほどの焦燥感。手の内に、じっとりと汗が湿る。

「遅かったな、ゴドー。一体何をしていた?」

 ゴーダーツ、ダッシュー、ゴドーは慌てて膝をつき、低頭した。

 ゴドーにとっては久しぶりの対面だった。



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