【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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205:名無しNIPPER[saga]
2018/02/04(日) 10:02:05.51 ID:KQnxmm/50

…………………………

「……相変わらず、辛気くさい場所だわ」

 そこは、暗闇の世界。欲望に支配された、黒い世界。

 アンリミテッド。

 そのひたすら黒い場所を歩くのは、ゴーダーツでもダッシューでもない。

 そのふたりとは比べられないほど華奢で小柄な影。

 女性的なスタイルというよりは、まだ子どもといっても差し支えないくらいだ。

「……遅かったな、ゴドー」

「あら?」

 彼女の名はゴドー。アンリミテッドの欲望の戦士、ゴーダーツとダッシューと並び立つ三幹部のひとりである。ゴドーは壁に寄りかかる大柄な男、ゴーダーツを認め、歩み寄った。

「よくも招集を無視し続けてくれたものだ。それなりの弁明はあるのだろうな?」

「…………」

 ゴーダーツの前に立てば、その身長差は歴然だ。ともすれば、ゴドーの二倍はあろうかというゴーダーツに対し、彼女はあまりにも小さい。

「何を黙っている。何か言ったらどう――」

「――うるさい。黙りなさい。無能な豚のくせして、偉そうにあたしに意見するんじゃないわよ」

「なっ……」

 しかし、である。ゴドーはそんなことを意にかけない。恐れなんて持つはずがない。彼女もまた、欲望の戦士なのだ。

「あたしはね、あんたに手柄を譲ってあげようと思ってたの。ロイヤリティの王族なんて、あんたならすぐに捕まえてお終いだろうと思っていたから、わざわざ遅く来てあげたのよ」

 ゴドーは圧倒的な上背の差をものともせず、ゴーダーツに詰め寄った。

「それなのに、あんたが情けなくて無能だから、やっぱり来てあげなくちゃって思って来てあげたの。感謝されこそすれ、非難されるいわれはないわ」

「貴様……」

「あら? 何か反論することがあって? 無能な欲望の戦士さん?」

「ははっ、相変わらず随分な物言いだなぁ、君は」

 パチパチと暗い空間に不釣り合いな弾けた音がする。暗闇から拍手とともに現れたのは、薄ら寒い笑顔を張り付けたもうひとりの欲望の戦士、ダッシューである。

「それくらいにしておいてあげなよ。彼も反省しているみたいだし」

「ダッシュー、貴様……」




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