【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga sage]
2018/01/28(日) 10:24:29.93 ID:xIWFcIHZ0
「ゆうきぃ〜!」
「めぐみー!」
どこかに隠れていたのだろう。ブレイとフレンが駆け寄ってくる。
「良かったニコね、めぐみ。書類を取り返すことができて」
「……ええ。ありがとう、フレン」
「うん。本当に良かったね、大埜さん」
「ふふ。あなたも、ありがとう。王野さん」
「えへへー」
相棒同士、笑顔で頷き合う。けれど、そんなふたりに水を差すような声が響く。
「グリ……ゆうき、めぐみ……あの、そろそろ片づけの時間グリ……」
「!? いっけない! 早く行かなくちゃ!」
「そうね! 急ぎましょう、王野さん!」
「わっ、わあ!」
グイと手を引かれ、ゆうきはめぐみに連れられ走り出す。頼もしい背中は、やっぱり優しさで満ちている。
「……ねえ、王野さん」
「えっ?」
走っているめぐみは、ゆうきに目を向けることはない。もしかしたら、それを狙っていたのかもしれない。めぐみは、本当に恥ずかしがり屋で照れ屋な女の子なのだ。
「あなたのおかげで、私、決心したわ。当て馬なんて言わせない。私は私で、本気で生徒会長になるためにがんばる。私、立候補してみるわ、生徒会長」
「大埜さん……」
ああ、なんて嬉しいのだろう。自分のことでもないのに、心の底から喜びがわき上がってくる。
「わたし、精一杯応援するからね!」
「……うん! ありがとう、王野さん!」
そのときばかりは、めぐみはきらめかんばかりの眩しい笑顔で、頷いた。
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