【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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188:名無しNIPPER[saga sage]
2018/01/28(日) 10:11:28.35 ID:xIWFcIHZ0

 ああ、やっぱり誉田先生は本当に “先生” なのだ、と。そう分かって、ゆうきは少しだけ恥ずかしい思いだった。めぐみのことをこの学校で誰よりも理解しているなんて思って、恥ずかしい。誉田先生のことを少しでも疑って、恥ずかしい。誉田先生はしっかり、めぐみの “本当” を知ってくれていたのだ。

「あなたもよく知っているでしょう? 王野さん」

「……はい! わたし、大埜さんが本当は優しくて、少し子どもっぽくて、負けず嫌いで、がんばり屋さんだってこと、しっかり知ってます!」

「ふふ。そうね。大埜さん、王野さんと一緒だと、とても楽しそうだものね」

 そうなのだろうか。そうなら、嬉しい。

「それに、王野さんも思わない?」

「えっ?」

 そして誉田先生は、まるで女子学生のように茶目っ気たっぷりに笑って、いたずらっぽく続けた。

「大埜さんが生徒会長をやったら、きっととても素敵よ? この学校もきっと、もっともっと素敵な学校になるわ」

「あっ……はい! それはもう、素敵な生徒会長になってくれること請け合いです! わたしが保証します!」

「ふふ。…… “おーのコンビ” とはよく言ったものだわ。更科さんって、演劇だけじゃなくてネーミングセンスもあるのかもしれないわね。ほんと、良いコンビだわ、あなたたちって」

「……はい!」

 大好きな大人から認めてもらうこと。大好きな先生から褒めてもらうこと。それが、とても嬉しい。

 めぐみもきっと、いまの言葉を聞いたら嬉しいだろう。さっきの皆井先生の言葉なんか吹き飛んでしまうくらい、嬉しいだろう。

 早くいまの言葉を伝えてあげたい! ゆうきの大好きなあの相棒に!!

「……じゃあ、私はこれから少し仕事があるから行くわね。大埜さんには、明日しっかりと謝っておくから安心して。それから、あなたの方からもなぐさめておいてくれると嬉しいわ」

「はい。わざわざ話を聞いてくれて、ありがとうございました」

「ううん。こちらこそ、話してくれてありがとう。王野さんが大埜さんのことを想って私に色々と話してくれて嬉しかったわ。王野さん、あなたはとっても優しいのね。優しくて、とっても勇敢だわ」

「そっ、そんなこと……」

「ふふ……それじゃあ、新入生歓迎会の片づけ、よろしくね。また明日」

「さようなら」

「はい、さようなら」

 誉田先生の可愛らしくも頼もしい背中を見送ってから、ゆうきは大きく伸びをした。

「とっても良い先生グリ」

「わっ!」

 そんなときに唐突に声をかけられたのだからたまらない。器用にもカバンの内側からジッパーを開け、ブレイがヒョコッと顔を出していた。



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