【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga sage]
2018/01/28(日) 10:04:15.36 ID:xIWFcIHZ0
…………………………
そこは、闇と欲望が渦巻く、黒い場所。
「…………」
目を閉じ、神経を研ぎ澄ます。胸の内に秘める欲望を、己の意志ひとつで制御する。渦巻く憎しみの炎をも、己の力に変換する。
己の目的を達成するために。
己の欲望を満たすために。
重い剣を横に滑らせ、そして――、
「――近寄るな。斬られたいのか?」
己の言葉に、闇の中で何かが動く。光はあるが、すべてが黒いために何も照り返さない。そんな闇の中から、同僚である男が現れた。
「やあ、よく分かったね。足音はさせていないつもりだったんだけど」
細面の顔に貼り付けられた、薄ら寒い笑顔。何もかもをあきらめたような顔をしているくせに、細い目の奥の瞳には、恐ろしいほど貪欲な欲望を抱いている。同胞とはいえ、油断のならない相手である。
「あまり私を舐めるな、ダッシュー」
「はは、そう嫌わないでくれよ。悲しいじゃないか、ゴーダーツ」
ゴーダーツは剣を鞘へと納め、ダッシューへに向き直った。
「何の用だ?」
「いや、デザイア様が見当たらなくてね。それで君に聞きに来たんだ。知らないかい?」
「……なるほどな」
ゴーダーツは首を振った。
「知らんな。そもそもあの方は、あまりご自分の行動を我々に知られたくないのではないか?」
「そうだねぇ。仮面といい、秘密主義だよね、デザイア様は」
その言葉には、少なからず気に入らないという意志が見え隠れしていた。
「文句でもあるのか?」
「はは。君は忠誠心が強いねえ。そんな顔をしなくても、僕もまた君と同じ、デザイア様の忠実な下僕だよ」
その言葉にはひとかけらの誠意も感じられなかった。このダッシューという男は、何につけても真剣になるということを知らないのだ。
「……ともあれ、デザイア様はどちらへ行かれたのかねぇ」
「知らん。言いたいことがそれだけなら、去れ。私は剣の稽古を続けなければならん」
「はいはい。マジメだねえ、ゴーダーツは」
ダッシューはくるりと背を向けると、歩き出した。
「……さて、じゃあ、僕がもう一度プリキュアのところへ行っても、咎めるひとはいないっていうわけだ」
そのつぶやきは、ゴーダーツに届いてはいなかった。
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