【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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165:名無しNIPPER[saga]
2018/01/21(日) 11:12:47.65 ID:agWmrLpM0

「っ……」

「君を倒し、勇気の紋章をいただく。そしてもちろん、優しさの紋章も。情熱の紋章もね」

「させない……。そんなこと、絶対にさせない!」

「言うだけなら簡単だね」

 じゃきん、と。無機質で無慈悲な音をたて、はさみが衣装の袖と髪を一房を切り取った。顔の間近をかすめたその凶刃に気を取られ、グリフは次のダッシューの行動を見通すことができなかった。

「……怖いのは刃物だけじゃないだろう?」

「!?」

 右足がうなりをあげ、グリフの腹部を正確無比に蹴り上げる。グリフはそのまま吹き飛ばされ、体育館の壁に激突し、ずるずると崩れ落ちた。

「っ……ぐ……」

「……弱い者は、自分の欲望を口にすることも許されてはいないんだよ。それが世界の決まりだからね」


「――違うグリ! そんなことはないグリ!」


 ダッシューの蔑むような言葉を、遮る大声があがった。ブレイが物陰から飛びだし、ダッシューに向かって大声をあげていた。

「ゆうきが口にしているのは、お前らなんかとは違うグリ! ゆうきは欲望なんかじゃなく、希望で戦っているグリ!」

「ブレ、イ……?」

「希望? ああ、そんなことをさっきも言っていたね。けれどそれは間違いだ」

 さっきとは、ユキナと有紗の背中を眺めていたときのことだろう。あのときも、ブレイはそのふたりを見て希望の話をしていたはずだ。

「ひとは希望なんかじゃ戦えない。ひとは希望なんかじゃ、やりたいこともやれないんだ」

「何を言っているグリ!!」

「……それをいちいち僕に言わせるのかい? 君たち王族は、本当に残酷だね」

 ダッシューの酷薄な笑みの中に浮かぶのは、たしかな憎悪。その表情に、キュアグリフは見覚えがあった。先日のデザイアが見せた憎しみの発露。あれとまったく同じ雰囲気がダッシューから放たれているのだ。

「グリ……っ」



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