【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/01/21(日) 11:08:56.37 ID:agWmrLpM0
薄紅色の光が力を与えてくれている。できる。やれる。力も何もない自分だけれど、いまだけは、そう、きっと。
「はぁああああああああああ!!」
『ウバッ……!?』
気合いの雄叫び。ウバイトールの巨体を引き寄せ、その場で力任せに回す。巨体は強大な遠心力を生みだし、その力は轟音となって体育館に響き渡る。そしてグリフはその勢いのまま、ウバイトールを放り投げた。
『ウバァアアアア……!!』
振り回された挙げ句に放り投げられたウバイトールはたまったものではなかっただろう。ものすごい速度で吹き飛び、体育館の壁に轟音を立てて激突する。
「やった!!」
「!? まだグリ! ふたりとも気をつけるグリ!」
『ウバ……ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』
「なっ……!」
ウバイトールが、何事もなかったかのように宙に浮かび上がる。
「そんな……全然ダメージを与えられてないなんて!」
「あのウバイトールには、どんなに衝撃を与えても無駄なんだわ……」
「……なら、やるしかないね、ユニコ」
「ええ」
ふたりで頷き合い、手を繋ぐ。お互いの気持ちまで共有し合うように、心と心が通じ合うように、ギュッとギュッと強く手を握る。
「――おっと。少し待ってくれないかな?」
背後からの声に振り返ったときには、何かを構えたダッシューがすぐ近くまで迫っていた。グリフとユニコは声を掛け合う暇もなく、お互いがお互いを突き飛ばし合った。
「っ……」
ほんの一瞬前までふたりの身体があった場所を、ダッシューの持つ何かが薙いだ。
グリフは体勢を立て直しながら、ダッシューに向かい叫ぶ。
「卑怯よ!」
「戦いに卑怯も何もないさ。より強い者が弱い者に勝ち、己の欲望を満たしていくというだけのことさ」
そして、グリフは見た。ダッシューの手に握られた “何か” の存在を。
「の、のこぎり……!?」
「うん。剪定用ののこぎりだね。惜しかったなぁ。あと少しでザクッと一撃で、君たちを倒せたのに」
ダッシューは何でもないことのように、先ほどまでと変わらない笑顔で言う。
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