【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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162:名無しNIPPER[saga]
2018/01/21(日) 11:08:56.37 ID:agWmrLpM0

 薄紅色の光が力を与えてくれている。できる。やれる。力も何もない自分だけれど、いまだけは、そう、きっと。

「はぁああああああああああ!!」

『ウバッ……!?』

 気合いの雄叫び。ウバイトールの巨体を引き寄せ、その場で力任せに回す。巨体は強大な遠心力を生みだし、その力は轟音となって体育館に響き渡る。そしてグリフはその勢いのまま、ウバイトールを放り投げた。

『ウバァアアアア……!!』

 振り回された挙げ句に放り投げられたウバイトールはたまったものではなかっただろう。ものすごい速度で吹き飛び、体育館の壁に轟音を立てて激突する。

「やった!!」

「!? まだグリ! ふたりとも気をつけるグリ!」


『ウバ……ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

「なっ……!」

 ウバイトールが、何事もなかったかのように宙に浮かび上がる。

「そんな……全然ダメージを与えられてないなんて!」

「あのウバイトールには、どんなに衝撃を与えても無駄なんだわ……」

「……なら、やるしかないね、ユニコ」

「ええ」

 ふたりで頷き合い、手を繋ぐ。お互いの気持ちまで共有し合うように、心と心が通じ合うように、ギュッとギュッと強く手を握る。



「――おっと。少し待ってくれないかな?」



 背後からの声に振り返ったときには、何かを構えたダッシューがすぐ近くまで迫っていた。グリフとユニコは声を掛け合う暇もなく、お互いがお互いを突き飛ばし合った。

「っ……」

 ほんの一瞬前までふたりの身体があった場所を、ダッシューの持つ何かが薙いだ。

 グリフは体勢を立て直しながら、ダッシューに向かい叫ぶ。

「卑怯よ!」

「戦いに卑怯も何もないさ。より強い者が弱い者に勝ち、己の欲望を満たしていくというだけのことさ」

 そして、グリフは見た。ダッシューの手に握られた “何か” の存在を。

「の、のこぎり……!?」

「うん。剪定用ののこぎりだね。惜しかったなぁ。あと少しでザクッと一撃で、君たちを倒せたのに」

 ダッシューは何でもないことのように、先ほどまでと変わらない笑顔で言う。



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