【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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157:名無しNIPPER[saga]
2018/01/21(日) 11:00:12.03 ID:agWmrLpM0

「ああ。紅蓮に燃え立つ赤のエスカッシャン。情熱の国のエスカッシャンだ」

「グリ!?」

 ブレイが驚きに身を震わせる。

「まさか……おまえはもうパーシーを捕まえてしまったグリ!?」

「いやいや。生憎とぼくは、最近アンリミテッド本部に戻ってきたばかりでね。このホーピッシュに来るのは今回が初めてなんだよ。だから、まだ情熱の王女捕獲はおろか、捜索すら満足にできていない状況でね。

「な、なら何で……フレンたちのところへ来たニコ?」

「おや? まるで情熱の王女を囮にして、自分たちは助かろうというような言葉ですね。優しさの王女?」

「ニコ!? そ、そんなこと言ってないニコ!」

「どうだかね」

 くすくすと、秀麗な顔をそのままに、上品に笑う。その姿は、意地悪くこそあれ、やはり敵とは思えなかった。

「ふざけないで! フレンはそんな卑怯なことを考えるような子じゃないわ!」

「めぐみ……」

「……あんた、最低ね。そういうの、意地が悪いっていうのよ」

「はは、うん、知ってるよ。よく言われるからね」

 その意地悪さは、飄々とした様子は、どこまでも自然だった。だからこそ、恐ろしい。そんな存在が、世界をひとつ、国を四つ、滅ぼしてしまえるというその事実が。

「っ……」

「おや? そっちの君は怖いのかな、僕が?」

「…………」

 身体が震える。目の前のどこにでもいそうな男が、ただ己の欲望を満たすためだけに世界を滅ぼす一助となったこと。その事実が、ゆうきの心を苛み、苦しめる。心が寒くなる。足が震え、手が震え、歯の根さえかみ合わなくなる。

 けれど、手の震えは、止まる。

「あっ……」

「……ひとりで考え込まないの。あなたの悪い癖よ」

 握られた手から、熱が伝わるから。温かい手を持つ仲間が、傍らで自分を支えてくれているから。

「がんばって」

「……うん!」



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