【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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150:名無しNIPPER[saga]
2018/01/21(日) 10:50:37.08 ID:agWmrLpM0

…………………………

 放課後、ブレイとフレンをカバンに入れて、ゆうきとめぐみは体育館に向かった。

「――そこはそうじゃないでしょ! もっとこう、感情的に!!」

「いや、これくらい淡々としていた方がいい。その方が、後の展開での感情が映える」

 体育館に入った途端に大音声が耳に入る。喧嘩をしているようにも聞こえるそのふたりの声は、ゆうきにとって聞き慣れたものだった。

「ユキナ? 有紗?」

 体育館の奥、舞台の上で大声で話し合う友達ふたりの姿があった。ふたりともジャージ姿で、どうやら部活動の真っ最中らしい。

「お、王野さん。どうしよう。止めた方がいいのかしら……」

「えっ?」

 緊張をはらんだ声。傍らのめぐみがおろおろと所在なげに舞台を見つめている。その視線の先には、大声で言い合うユキナと有紗の姿がある。

「でもさ! それじゃなんか違和感ない!? ここのシーン!」

「いやいや! ここは「感情を表に出したいんだけど抑えなくちゃいけない……」そういう複雑な気持ちを表すべきだよ!」

 声はますます大きくなる。それはたしかに、端から見ればまるっきり、言い争いだ。

「……大丈夫だよ。あんなの、ふたりにとっては日常茶飯事だもん」

「え……?」

「見てれば分かるよ」

 不思議そうな顔をするめぐみから目を離し、舞台に目を向ける。

「むむむ……」

「うーむ……」

 ユキナと有紗は向かい合ったまま悩むように顔をひそめている。しかしやがて、双方同時にぽんと手を叩き、明るい表情で口を開いた。

「そうだ! じゃあ、このシーンは、もう少しBGMを工夫して、内面の感情を表現しようよ!」

「いいね! それから、照明にも協力してもらって、光も効果的に使おう。ライトの色を一工夫してもらったら、もっとよくなる!」

「よーし、決定!」

「そうと決まれば、早速みんなにフィードバックしよう! おーい、みんなー!」

 ものの数十秒ほどの出来事である。



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