【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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147:名無しNIPPER[saga]
2018/01/21(日) 10:45:59.79 ID:agWmrLpM0

…………………………

 空気はひんやりと冷たいが、日差しが温かい。夏服だったら寒いだろうけど、冬服だから心地良い。

 私立ダイアナ学園女子中等部の屋上は、まさに春まっさかりという陽気だった。

「あー、暖かいグリぃ……」

「そうニコねぇ……」

 のんきなものだ。ぬいぐるみのような王族、ブレイとフレンは屋上に横たわり、ぐーたらと寝こけている。

「それに引き替え、わたしたちは……」

「こら、王野さん。なまけてないで、王野さんも考えなさいよ」

「ふぁーい」

 せっかくの昼休み、わたしものんびりしたいなー、なんて思っていても、横にいるパートナーがそれを許してはくれそうにない。

「実際、真剣に考えなくちゃいけないんだから。私たちのロイヤルストレートが、あんなに簡単にデザイアに防がれてしまったのよ?」

「うーん……」

 たしかに、めぐみの言うとおりなのだ。先日、ゴーダーツをあと一歩のところまで追い詰めたキュアグリフとキュアユニコだったが、そのゴーダーツに放ったロイヤルストレートを、アンリミテッドの最高司令官、暗黒騎士デザイアにいとも容易く吹き飛ばされてしまったのだ。

「今のところはデザイア自身に私たちと戦う意志はないようだけど、もし気が変わったら……」

「……勝てるのかな、わたしたちで」

「…………」

 ゆうきとめぐみは成り立ての戦士だ。だから、戦いのいろはも何も知らない。プリキュアとしての圧倒的な身体能力、耐久力、体力、そして、王者の誇りと戦士の絆の光――それらにものを言わせて勝ってきたのだ。

 もし、デザイアがそれらをすべて合わせても勝てない相手だったとしたら、どうなる。

「……でも、それでも、わたしたちは勝たなくちゃ。ブレイとフレンのために。そして、自分たちのためにも」

「ええ」

 目を合わせ、頷き合う。勝てるか勝てないかではなく、勝たなければならないのだ。そうでなければ、ロイヤリティを取り戻すことはおろか、自分たちの住まうこのホーピッシュすら守れないのだから。

「……カルテナ」

「えっ?」

 ふと、ゆうきでもめぐみでもない声が小さく響いた。目を向ければ、ブレイがゆっくりと身をもたげるところだった。



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