【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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137:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 17:35:17.38 ID:eQRkBpc+0

「グリぃ。ごめんグリ……」

「ブレイ……」

 申し訳なさそうなブレイの声に、力が抜けてしまう。本当に、鈍くさいったらない。

「そんなところは、誰かさんにそっくり、ってわけね」

「ちょっとユニコ。すごい失礼なこと言わなかった、今?」

 軽口をたたき合うが、状況は良くはない。ゴーダーツがその気になれば、ブレイの身体などすぐさま握りつぶされてしまうだろう。しかし思案するより早く、駆け出す姿があった。

「フレン……!?」

 ユニコは制止しようとするが、届かない。フレンは小さな足で、懸命にゴーダーツに向けて駆けている。

「っ……動くなと言ったはずだぞ!」

「動くなって言ったのはプリキュアに対してだけニコ!」

「うっ……ま、まぁ、たしかにそのとおりだが……ではない!! 貴様……!」

 ゴーダーツが片手をフレンに向ける。その手に、ユニコに撃ったものを小さくしたような光が生まれる。

「いけない……!!」

「フレン!!」

 動き出したのは同時だった。目配せし合ったわけでも、頷き合ったわけでもないのに、グリフとユニコはお互いが何を考えているのか、なぜか手に取るように分かった。

「なに……!?」

 ふたりは左右両側からゴーダーツに突撃した。片手でブレイを握りしめ、空いた手をフレンに向けているゴーダーツは、そのプリキュアの素早い行動に追いつくことができなかった。

「ばっ……ばかな!!」

「ばかはどっちよ! この卑怯者!!」

「ッ……!」

 グリフとユニコの蹴りがほぼ同時にゴーダーツに直撃する。よろけたゴーダーツの手から光がはじけ飛び、ブレイが衝撃で放り投げられるように飛び出す。

「ぐ、グリ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! 落ちるグリ!!」

「ニコ! ブレイ!!」

 頭から真っ逆さまにアスファルトに落下するブレイの下に、フレンがすべりこむ。もふもふとやわらかいふたりの身体がお互いにバウンドしあうようにして、ブレイの落下の衝撃を小さくする。

「ぐ、グリ……フレン、ありがとうグリ……」

「べ、べつに……」 フレンはぐったりと横たわったまま、顔だけブレイから背けた。「優しさの王女にここまでさせたニコ。これは貸しニコ」

「グリ。いつか絶対に返すグリ!」

 微笑んでうなずくブレイに、けれどやっぱりフレンは顔を向けなかった。



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